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やる気を削ぐ「職場の常識」 それって社会の「非常識」では?

   学生の頃、「学生の常識は、社会の非常識」とお説教されたことがある人もいるだろう。講義に遅刻は当たり前、レポートの締切を守らない、夜更かし朝寝坊などの「常識」は、社会では通用しないぞ、と。

   しかし、実際に社会に出ると、「これ、ちょっと変?」と感じる「常識」は少なくない。自社の「常識」が、他社から見れば「非常識」というケースもあるだろう。そんな、社内の暗黙のルールが、知らないうちに社員のやる気を削いでいるかもしれない。

「自腹で読書の強制」がルール

「遅刻してもOK」ルールにならないかな...
「遅刻してもOK」ルールにならないかな...

   インターネットの質問サイト、Yahoo!知恵袋には、「会社の正直やめてほしい、嫌で辞めたくなるようなルールってありますか?」との質問(2014年5月25日投稿)があった。質問者いわく、以前勤めていた会社では「読書の強制」があったという。本の購入は自腹、ジャンルも強制の場合が多く、読む時間で休日などが削られて苦痛だったと書かれている。

   他にも、「会社内・部署内などで、暗黙のルールなどはありますか?」との質問(2009年4月23日投稿)には、「なんでも話しかけるときに『お声をかけてよろしいでしょうか?』とあたまにつける」、「上司に気に入られている人のデスクは必ず『電話から遠い』『奥まっている=自分の世界に入りやすい環境』に設置されている」などの回答が寄せられた。会社独自のルールに、「なんだかなぁ」と不満を抱きつつも、諦めている人は多そうだ。

   少し前に話題になった、売り上げが達成できない社員が、自ら商品を購入する「自爆営業」も、暗黙のルールの一種だろう。閉鎖的な組織では、法律上問題のある行為も、「当たり前だから」と問題化されないケースがあるようだ。

若手社員に「違和感」がないか、気軽に尋ねてみる

   「読書の強制」から「自爆営業」まで、大なり小なり「暗黙のルール」がある職場は多い。こうした「職場の当たり前」が、会社にとってマイナスであると警鐘を鳴らす人もいる。アイティメディア(本社・東京)が運営するニュースサイト、「Business Media 誠」に掲載されたコラム、「あなたの職場をむしばんでいるのは、その『ローカルルール』かもしれない 」(2014年8月18日配信)だ。

   コラムによると、時代遅れなルールや、コンプライアンス上問題のある慣習が、「ウチではこういうやり方だから」の一言で、放置されているケースは多いという。

   コラムを執筆したサカタカツミ氏は、職場にどっぷり浸かった中間管理職こそ、この「ローカルルール」を見直してみてほしいと指摘。独自の慣習を「変だな」と気がつきやすいのは、入社して間もない若手社員たちだ。そんな彼らに声をかけ、「うちのローカルルール」に違和感がないか、気軽に尋ねてみることを推奨している。

   若手社員たちも、「職場の当たり前」に適応しすぎることはないのかもしれない。「このルール、どうしてこうなっているのですか?」と積極的に尋ねることで、職場の風通しがよくなるケースもありそうだ。(KH)