2019年 12月 15日 (日)

「技術系は不要」論者の文系社長が驚いた 思いもよらぬ理系効果とは

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   ソニーがスマホ事業で苦戦し、二期連続大幅な赤字決算となるニュースが話題を集めています。同社はメーカーでありながら、約20年にわたって文科系出身のトップが続いていることを問題視する向きもあるようです。モノづくり企業のトップを技術者ではなく文科系の人間が務めることは決して珍しいことではありませんが、文系社長、理系社長ならではの悩み事を耳にすることが、これまでにもいろいろとありました。

   機械商社C社のA社長は生粋の文系人間。コピー機の営業から叩き上げてその営業実績が認められて大手メーカーの販売代理権を次々獲得し、地域有数の優良企業に成長しました。

「論理的な思考と発想がすごく新鮮」

理系ですが、何か?
理系ですが、何か?

   そんなやり手営業社長の悩みは「部下の個性のなさ」でした。社員の採用は自身が毎年面接をして最終決定をしてきたのですが、その際に社長がこだわっていたのは、「うちのような大手の代理店は営業がすべて。細かい技術的な知識よりも営業に向く文科系的な資質こそが重要。理屈ばかりで机上で仕事をするような技術系は不要」という考え方でした。

   確かにその考え方も一理あるのですが、社長以下文系ばかりの組織構成では社内の考え方が画一的になりがちなのもまた事実。社長が言う「部下の個性のなさ」は、実はそんな人員構成にも一因があるように思っていました。

   そんなある時に、同じ地域で懇意にしていた電子機器部品メーカーが倒産します。社長同士が仲良しであったこともあり、そのご子息を面倒見て欲しいという先方社長たってのお願いを断れずに、40代前半のYくんを部長クラスとして迎えることになりました。Yくん入社当時の社長の反応は、「彼は生粋の技術者で理屈っぽくて扱いにくい。やはり、うちの水には合わないから長くは続かないだろう」というものでした。

   しかし彼を部長として使ううちに、これまでにない技術者的な斬新な発想での営業展開の提案が次々出されるようになり、同時に社内での思わぬライバル出現に幹部社員たちも奮い立たされて積極性が出るという思わぬ展開になったのです。近年ではYくんは役員に抜擢され、社長の右腕として大活躍。C社は大手メーカーから優秀代理店表彰を総なめにするほどの業績進展で、地域のみならず全国を代表する販売代理店に発展しました。

「確かに理屈っぽくてその物言いにアタマに来ることも間々あるけど、僕ら文系にはない論理的な思考と発想がすごく新鮮で、周りにもいい刺激になっているよ」

と思わぬ技術者効果に満足げです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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