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同期は「ライバル」か「仲間」か

   忘年会シーズンに入り、「会社全体の飲み会」や「所属課単位の~」「担当者だけの~」、そして、中には「同期の」会合に参加予定の人もいるだろう。一定規模以上の会社に勤める社会人にとって、「同期」はある意味、特別な存在かもしれない。上司にも後輩にも相談できない悩みを「同期」に聞いてもらう――そんな経験もあるのでは。

   一方、入社してしばらくは、「仲間」や「友達」だと思っていても、入社後10年もすれば昇進で差がつき始める。強かったはずの「仲間」意識も薄れ、互いにぎくしゃくしてしまうケースも出てくるようだ。

新社会人の6割「同期はライバルではなく友達」

今日は同期会です
今日は同期会です

   新社会人にとって、「同期」との関係は、特に重要なものと考えられている。採用事業を手がけるレジェンダ・コーポレーション(本社・東京)が2年前、新社会人1693人に対し、「会社の中で上司・先輩・同期の、どの関係を重視したいか」尋ねたところ、約半数の49.4%が「同期」と答えた。「先輩」との関係を重視したいのは32.9%、「上司」は17.8%にとどまった(2012年6月6日公表)。

   さらに、同期のことを、友達(「友達」+「どちらかと言えば友達」)と考える割合は58.7%と6割にのぼり、「ライバル」(41.3%)を上回った。調査したレジェンダ・コーポレーションでは、新社会人の多くが、先輩や上司などの「縦の関係」より、「横の関係」を重視しているとコメントしている。

   一方、男性の多くは「上下関係をハッキリさせたい」と思っており、同期との関係は、時にギスギスしてしまう、という意見もある(「男性にとってやっかいな、『同期』という存在」東洋経済オンライン、2014年11月17日)。心理カウンセラーの五百田達成氏によると、男性は「縦社会を重んじる」性質を持っている。そのため、先輩や上司、後輩など、上下関係がハッキリしている相手への対応は、自然にできる。ところが、同期は上下関係が定まっていないため、「どちらが上か、下か」をハッキリさせようと、無意識のうちに牽制し合ってしまうケースも多いそうだ。思い当たるフシがある人も、いるかもしれない。

「同期」は日本特有?

   「男性にとって『同期』は、やっかいな存在」という五百田氏の主張には、賛否両論あるようだ。ツイッターでは、「めちゃめちゃ分かる・・・」と共感を示す人も目立つ。「同期の男性社員たちを前にして、どっちが出世しているかを話題にするのはタブー」と言う人もいた。どちらか片方のコンプレックスを指摘して、関係をぎくしゃくさせてしまうからだろう。

   一方で、「こんなん思ったことないわ、どこの話だよ」「一概には云えないと思う。僕にとって同期は最高の仲間!」という人もいる。

   同期との関係は、会社によっても、多少異なるようだ。「ストレスフルな環境下にある対等の男性集団は、強い絆を深める方向に向かう気がするけど・・・」という人もいる。会社の労働環境が厳しいと、同期と競い合うどころか、自分のことで精一杯になってしまうのかもしれない。また、「『同期』って、英語にはないからなー。欧米では、入社年次とか意識しないし」と、「同期」という概念そのものが、日本特有だと指摘するつぶやきもあった。(KH)