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「離婚するかもしれないから、公務員になったの」 そんな女心を読み解く

   先日、公務員の彼女がいる男性と話していたところ、「彼女がさぁ、『あなたとは結婚したいけど、万が一、離婚しても大丈夫なように、私は公務員になったのよ』って言うんだ。どういう意味だろう?ちょっと不安なんだけど」と、言っていました。

   学生時代から付き合っている2人。就活を迎えた彼女は、彼との将来を考えて「公務員」を選んだそうです。「もしかしたら、離婚するかもしれないから」。彼女の言葉には、複雑な女心が隠されているようです。

好きだからこそ「離婚に備える」?

不安なの
不安なの

   「あなたとは結婚したいし、子供は2人欲しい。でも、離婚するかもしれない。公務員なら、離婚しても、子育てと仕事を両立できると思うの」と言う彼女。それを聞いて、彼は「自分のことを愛していないのではないか?」と、複雑な気持ちになったそうです。

   かつて「公務員」は、女性にとって数少ない、経済的自立の道でした。今のように、女性の就労が広がっていなかった時代、自立を求めて、公務員を選ぶ女性は多かったのです。現代の彼女もまた、経済的自立と「夫からの自立」を求めているのでしょうか。いや、むしろ「逆」ではないかと感じました。

   結婚するときから、「この人と離婚するかも」と考える女性は、ほとんどいません。が、今は「夫婦の3組に1組が離婚する時代」です(この数字は、その年の婚姻件数を分母に、離婚件数を分子として算出するもので、適齢期の若者が減れば離婚率は高くなります。が、もはや離婚が、決して珍しくないものになっていることは確かです)。

   彼女はきっと、「今は互いに大好きな関係でも、将来は何があるかわからない。ひょっとしたら離婚するかもしれない」と、不安で仕方がないのでしょう。好きだからこそ、離婚した時のダメージも大きいだろうと、先回りして心配しているのです。

女性にとって「離婚」のダメージは大きい

   女性にとって、男性以上に「離婚のダメージ」は大きいのです。子供がいれば、親権は多くの場合、母親のものになりますし、そうした影響もあるのか、再婚率は男性よりも低い。多くの女性は、離婚した場合、1人で子供を育てていくことになります。心配性の彼女は、万が一、大好きな彼と離婚した時のダメージを、少しでも減らしたいのでしょう。公務員ならば、(精神的な不安は別にして)経済的な不安はそれほどありません。

   彼は、「確かにそうかも。彼女は安定志向だし、僕よりも将来のことを、ずっと考えているからなぁ。その過程で、離婚の可能性まで考えちゃってるのか。ただ、僕を嫌いなわけではないんだよね?」と、複雑そうでした。

   もちろん、結婚もしていないのに、離婚の可能性に言及する彼女は、「本当は絶対に、離婚なんてしたくない」と思っているのです。彼氏に、わざわざ「離婚しても大丈夫なように、公務員になったの」と宣言するその心は、「離婚は絶対にしたくない。だから、『離婚なんてしないよ』って約束して!」です。ある種の「予防線」を張っている、ともいえます。

   「女心って複雑すぎ!」と、ボヤく彼でしたが、その後、2人は無事に結婚。今のところは離婚せず、仲良く共働きで暮らしているようです。(北条かや)