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「電車遅延で遅刻」でもクビじゃ! それってアリ?ナシ?

   本格的な冬がやって来た。2014年12月14日には、東京都心でも初雪を観測。平年より20日も早く、今年の厳しい寒さを思わせた。

   ビジネスパーソンにとって気になるのが悪天候による交通機関の乱れだ。どうしても遅刻や欠勤が避けられない状況も発生しうるが、「電車遅れた日は遅刻したって仕方ないよね」という態度には要注意。電車の遅延が理由の遅刻を繰り返すと、懲戒を検討されるおそれがある。

「雪で運休になったら休んじゃおう♪」と軽い同僚にイライラ

首都圏の電車は遅れがちだけど・・・(画像はイメージ)
首都圏の電車は遅れがちだけど・・・(画像はイメージ)

   Q&Aサイト「発言小町」に、「電車で遅刻するのは許される?」というトピックが立てられた(14年12月6日)。

   相談者の同僚は「電車が途中で止まった」「天候が理由で電車が遅れた」など、電車を理由に何度も遅刻を繰り返しているという。一本早い電車で来ればとアドバイスしても、「早く着いてしまうので嫌だ。電車が理由なんだから良いじゃない」と言われてしまうというのだ。

   会社の近所に引っ越すのも「今の生活を崩したくない」と嫌がり、「雪で運休になったら休んじゃおう♪」と全く深刻に考えていない様子。「予想外の事もあるのに、何の対策しないで、電車を理由に遅刻や休む人ってどう思いますか?」と質問している。

   相談者は苛立っているようだが、回答欄には「評価を下すのは会社なんだから、あなたには関係ないでしょう」といったドライな声が多い。

「従業員の4人に1人くらいが電車で通勤している会社にいます。最寄り駅は1つで、通る路線も1本。その路線が事故や故障などで止まったり遅れたりしたらアウトなわけですが、会社は、それによる遅刻は全面的に認めています」
「結構遅刻します。遅延です。地下鉄、JR、更に地下鉄、私鉄と合計4回、終点の方向が違えば5回は乗り換えるので、しかも殆どがお互いに接続しているのでどこかの路線が遅れると芋づる式です。当駅止まりや急行待ちが重なって20分遅れは堅いですね(笑)うちの会社はその路線の『最大遅延時間>遅刻した分数』であれば証明書出せばOKです」

など、自身も電車が理由で遅刻することがある、という人からの意見もみられる。

「遅刻をしないようにするのは社員として当たり前の行動」

   ただ、相談者からは補足で、同僚は「遅延証明書は15分以内の遅れだったのでない」、「会社からアパートを紹介する話が来ているが遅刻できなくなるし、電車通勤が30分かかるという理由で残業を拒否していたのにできなくなる」などと問題発言を繰り返していて、「この話は上司レベルから上層部までいきました」という。回答者が思っていたより事態は深刻だったようだ。

   人事関連情報サイト「日本の人事部」には、09年5月に「電車遅延理由の遅刻で解雇できるか」という相談がすでに寄せられていた。

   この相談者も、自宅から会社まで電車に乗っている時間は約10分にもかかわらず、「電車が遅れるのだから仕方ない」と週2回のペースで遅刻を繰り返す社員に手を焼いている。遅延証明書はネットから取得して提出、指導してもしばらくするとまた遅刻が始まるという。

   相談に対し、社会保険労務士でもある服部康一氏は、「遅刻をしないようにするというのは労働契約に定められた始業時間を守る上でも社員としまして当たり前の行動」として、

「即解雇は不可としましても、労働契約違反であり懲戒対象となりうる行為であることを告げる共に、口頭注意のみに留まらず現実に懲戒発動も行い、その際同様の遅刻が今後も繰り返されるようであれば解雇も辞さないといった姿勢を示すべき」

とアドバイスしている。(MM)