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「アイデアの量」は「移動距離」に比例する・・・のか?

   今、私は久々に東京に来ています。

   24度のプノンペンの夕暮れ時ですら肌寒いと思っていたのに、その1/10の2度とかちょっともう完全危険領域に達しています。

   また、舗装されていない道路もあるプノンペンは、砂埃が結構あるのですが、東京の花粉はそれ以上の凶器です。

   恐るべし、ニッポン。

「アイデアとは知識の組み合わせだから」

移動距離がものを言う!?
移動距離がものを言う!?

   それはともかく、私は今回、今年(2015年)はじめて飛行機に乗りました。

   去年は年間で56回飛行機に乗っており、大体1週間に1回乗っている計算。アジア域内ばかりとはいえ、移動距離も非常に多く、エキサイティングかつ疲労困憊な年でした。

   さすがに移動しすぎたので、今年はプノンペンを住居に飛行機に乗るのは1月に1回以下にしようと計画しています。

   高城剛氏がかつて、「アイデアの量は、移動距離に比例する」ということを言っていました。

   自分自身のことを考えても、私の周りの人のことを考えても、この言葉は確かにその通りだと思うことが多いです。

   すげえアイデアマンだなーと思う人のFacebookは、いつも違う町から更新されている気がします。

   なぜ、アイデアと移動距離は比例するのでしょう?

   私がたてた仮説は、「アイデアとは知識の組み合わせだから」です。

   例えば、私が今やっている「サムライカレープロジェクト」。

   新興国で日本の若者(もしくはおっさん)に起業体験をしてもらうという研修プログラム。しかし、ただの研修とは違うのは、本当にプノンペンにある実店舗を経営してもらっていることです。

   そして、この研修プログラムのキモは、研修生に自由に体験してもらうために「研修プログラムのために店を作った」ということです。これによって「既に存在している店にインターンをする」のとは全く別の自主的な企画、運営、実行を行ってもらえるのです。

アイデアの点から線、絵へ

   なんでこんな事を思いついたかというと、アジア各国のいろんな所を移動していたからです。

   日本の多くの若者に話を聞いて「新しい事をやってみたいが、どうすればいいのかわからない」「海外に行きたいが不安」ということを聞いていました。

   日本の人事関係者に「自分で考えて仕事を作れる人材が欲しい」「海外事業に対応できる人材は欲しいが、バイト、サークル、ワーホリ、語学留学の話は聞き飽きた」ということを聞いていました。

   同時に、アジア各国で、様々な国で起業している人の苦労や、その国の環境を聞いていました。

   そんなことを繰り返している中で、カンボジアで起業をしている起業家の方に「この国なら、少ない資本で、比較的自由に起業ができる」ということを聞きました。

   若者のニーズ、人材会社のニーズ、そしてカンボジアの起業の現状がひとつに結びつき、サムライカレープロジェクトの概要が思い浮かんだのです。

   はじめから研修プログラムをやることありきではなく、様々なニーズや現状を身体で体感しており、たまたまそのいくつかが結びついて、ひとつのアイデアになったわけです。

   おそらくアイデアマンと呼ばれている人は、この様な結びつく前の知識がたくさんあるのです。そして、その知識の「点」が何かのタイミングでいくつか結びつき、アイデアの「線」になり「絵」になっていくのだと思います。

   私は大学生に「今何をするべきか」と言うことを聞かれた時、「とにかくたくさんのモノを見て、たくさんの事を経験しろ」と言っています。サムライカレープロジェクトが1-4週間の短期に設定されているのも、これ以外のこともたくさん経験して欲しいからです。

   若い人だけではなく、自分の人生に行き詰まっている人も、是非たくさんのことを体験してください。ちなみに、感性が豊かな人であればインターネット上の情報だけでも「点」になるかもしれませんが、ほとんどの人は、実際動いて体験してみるくらいの深い穴を掘らないと「点」として機能しません。

   例えば、大学生の1人の話と、人事部の1人の友人の話と、カンボジアで起業家2人との会話、そしてネット検索だけでサムライカレープロジェクトは思いつくことはないと思います。3桁の若者、数十人の人事部をはじめとする社会人の人たち、そしてアジアほとんどの国を何度も訪れて見て、聞いて、感じた事が「点」となり「絵」になっていくのです。

   ちなみに、私が今年動くのを減らす理由は、「絵」を書くことに夢中でそれを実行する時間がとれなくなってしまったからです。

   今年は、書いた「絵」を元に、ものを作る事に力を入れていきたいと考えています。

   すでに「点」や「絵」は私の中に山ほどあるので、もしそのようなモノをご希望でした、こんな風に「点」の共有やアイデア出しのお手伝いをするプログラムをつくりましたので、ご利用頂けたらと思います。(森山たつを)