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元気な高齢経営者が「うようよ」いる日本 「死ぬ気がしない」ほど元気だ、と圧倒される社員も

   37年前、私が23歳で入社した時の社長が、今も社長です。私はもう60歳。社長はお元気で、まだまだ続投されるそうです――

   先日、80代半ばの、複数の経営トップが「続投方針」を示すニュースが続き、あらためて経営者の高齢化に注目が集まった。日本企業は、経営者の高齢化が進んでおり、他人事ではない会社員も少なくないようで、ツイッターでは様々な反応が飛び交った。

「私が1番先に辞めればいいが、そうもいかない」

元気だよなあ
元気だよなあ

   スズキの鈴木修・会長兼社長(85)は先日の会見で、今後5年間で経営陣の若返りを図りつつ、自身については「私が1番先に辞めればいいが、そうもいかない」と述べた。「85歳スズキ会長『5年後も現役』(略)」(朝日新聞電子版、2015年5月12日)などと報じられ、注目を集めた。鈴木氏は、1978年に社長に就任、2000年に社長を辞め会長に。08年からは社長に復帰し、会長と兼職している。37年前の1978年に、仮に23歳で入社した社員がいたとすると、今年は60歳になる計算だ。

   また15年5月12日には、カシオ計算機が、樫尾和雄社長(86歳)の27年ぶりの交代を発表した。6月26日付で、長男の和宏氏(49=報道時)が新社長に昇格し、和雄・現社長は会長に就く。とは言え、代表権のある会長で、ある意味、和雄・現社長の「続投宣言」と受け取る向きもあったようだ。

   スズキ会長の「まだまだ現役」発言がニュースになると、ツイッターでは、

「こういうおじいさんがのさばりまくるので、日本市場が停滞するのでしょうね・・・」

といった批判的な声も出た。一方で、

「唯一無二の人だからなぁ。アップルのジョブスみたいな存在」
「そんなわけないのはわかってるけど、修の仕事ぶり見てると死ぬ気がしない。若者でもヘトヘトになるくらい動き回ってるぞ 。静岡県内のイベントとかどこにでも現れてフットワーク軽すぎ!」
「なんだかんだで修ジイサンが復帰したら一気に業績アップしちゃうし、経営手腕は抜群だから後任が困っちゃうわな。それにしても元気なジジイだ」

などと、いまだに衰えぬ同氏の意欲と手腕を賞賛する声も目立つ。

「70歳以上」2割弱、「80歳以上」約1割

   実は、経営者の高齢化は、日本企業全体で進んでいる。帝国データバンクがまとめた「2015年社長分析」によると、経営者の年齢が70歳以上の会社の割合は、10年連続で前年を上回り、18.3%と2割近くに達した。「80歳以上」も全体の約1割を占めており、帝国データバンクは「経営者の高齢化問題が深刻さを増してきた」と指摘している(1月29日公表)。

   こうした状況を背景にしてか、「我が社の高齢社長」に対するつぶやきも多々ある。

「うちの社長80すぎてんのに、夕方5時くらいに仕事来て今の時間まで休憩もせずにぶっとおしで働いたりすんだけどなんなん。タフすぎるだろ。ちなみにおばあちゃん」
「うちの社長は結構な高齢なのでたまに孫扱いしてくる。頭ぽんぽんとか。でもさっきうちの課長にも頭ぽんぽんしてて(略)」

と、鈴木修氏に負けず劣らずの元気な高齢社長の様子が伺える。

   しかし、中には「うちの社長、今年四捨五入したら90になるのに、まだ後継者なし。年に2回位人間ドックにはいってるようですが。結構大勢の社員がいるのに!」と、不測の事態が会社に及ぼす影響を心配する声もあった。(KE)