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「他人が嫌がる仕事をやろう」なんてキレイ事? 報われない人々が愚痴の数々

   「人が嫌がる仕事もする」ことは美徳とされている。日本電産の創業者で、名物社長として知られる永守重信氏も、

「大きな仕事をやりたい、あるいは、自分の夢とロマンを実現したいと望む人ほど、小さな仕事にも手を抜かず、他人の嫌がる仕事を進んで引き受けることが必要です」

という名言を残している。

   ところがそれを実行した結果、思わぬ苦しみを背負ってしまった人もいるようだ。

引き継ぎを全員強く拒否するほどの仕事を任されて・・・

引き受けたって、いいことない!?
引き受けたって、いいことない!?

   Q&Aサイト「発言小町」に、あるユーザーから「人の嫌がる仕事をすすんで引き受けた結果」が報告されている(2015年7月11日)。

   「人の嫌がる仕事をすすんでやりましょう」というアドバイスは「きれいごとではないか」というユーザー。何でも「皆の嫌がる仕事をすすんで引き受けた結果、その業務の担当から離れられなくなりました」という。

   ユーザーが従事しているのは「魅力が薄く、評価がされない仕事」「地味ですが必要な仕事で、時間もかかります」というもの。引き継ぎを打診された人が全員強く拒否するほどだそう。

   他の仕事をしたいと訴えてもいるが、

「代役を探す身にもなれと情で訴えられたりあなたは専門家だからプロとして続けて欲しいと不要な持ち上げ方をされます。レベルの低い業務・重要ではない業務だと陰口を言っているその口でうわっつらのほめ方をします」

と取り合ってもらえないそうだ。

「人の嫌がる仕事をすすんで引き受けた結果、本当に良いことはありますか?評価がされ、やりがいのある仕事が任されますか?実態はそうではないと思うのですが、いかがですか?同じ状況で苦しんでいた方、打開方法はありましたか?」

と、意見を求めている。

「私は報われましたよ」体験談も

   コメント欄には、

「現在、身を持って体験中。能力なんて関係ない。結局、要領の良い者が生き残る。私はもう諦めたけど(転職先を密かに探している)」
「私も主さんのように進んでみなさんが面倒だと思う事をしていた時もありましたが、結果主さんと同じ感じにされ、心がすさみました。世の中は、世渡り上手が認められるって気づきました」

と、同じ経験をした人から「キレイ事だ」という意見や、

「人が嫌がる事を状況を見た上で引き受ければ、評価はあがります。むやみやたらと引き受けていたら、ただのやっかい事処理係です。自分である程度、選択すべきだったんです。そして、嫌がる仕事を引き受ける時は、旨味のある仕事もセットで引き受けるんです。嫌がる仕事『だけ』引き受けるのは間違ってます。やり方、間違えちゃいましたね」

など、相談者への説教のようなコメントも寄せられている。

   「人が嫌がる仕事を引き受けるなんて損」・・・トピックにはこんな空気が漂ったが、「私は報われましたよ」という書き込みも。

   派遣社員として勤務していた時、契約業務がかなり楽だったため、職場の雑用を色々やっていたという回答者。うんざりしたこともあったそうだが、「結果、なぜだか派遣3年目直前に会社側の申し出で社員登用されました」という。

「社員になっても同じようにしてますが、さらに異例の数ランク超えの出世もして、スキルの低い中途社員なのに男性先輩よりも先に役職についています。本来業務では、あまり評価をもらえるような仕事をしていないので不思議なくらいですが、人の嫌がる仕事(雑用)を、ちょっとした改善で楽にこなせるように工夫はしていました。それを見てる人は見てるかな?と思います」

   他人が嫌がる仕事は上手に避けつつ要領よく生きていくことが結局会社で上手く立ち回るコツと考えている人も多いようだが、自分の工夫次第では報われることもあるようだ。(MM)