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UFOキャッチャーが「若者の命」を救う? ガン予防との不思議な関係

   世界で一番皮膚ガンの発症率が高い国をご存知だろうか。それは今、夏真っ只中のオーストラリアだ。南半球は今が海水浴のシーズン。ビーチを目指す若者をターゲットに、皮膚ガンの予防を目的としたWebキャンペーン「Pretty Shady」が実施されている。

   オーストラリアで最も人口が多い地域、ニューサウスウェールズ州(NSW)を拠点にガン予防の啓蒙活動を行う機関「Cancer Institute NSW」が、広告会社とタッグを組んで行っているキャンペーンで、遊び心を交えたユニークな企画を紹介する動画も公開中だ。

夏のビーチ5種の神器を無料配布

日焼け止めをゲット!
日焼け止めをゲット!

   キャンペーンサイトでは、日焼けによる肌へのダメージを最小限に抑えるために、パラソル、水着の上の服・帽子・サングラスの着用、そして日焼け止めの使用を詳細なアドバイスとともに提案。「Part of the generation that stops skin cancer(あなたたちの世代から皮膚がんをなくそう)」と呼びかけている。

   さらに、サイトで自分の住所を入力すると、提案された5つのアイテムがセットになったオリジナルグッズが無料で自宅に送られてくる。そのグッズがなかなか優れもので、UVカット機能が施された軽量のパラソル、Tシャツ、首の後ろもカバーできるつばの広い帽子、日差しが強いオーストラリア独自の基準をクリアしたサングラス、そして97%UVカットできるSPF50の日焼け止めだ。これで日焼け必須のビーチにも安心して出かけられるだろう。

   このキャンペーンは、今(2016)年で3回目。毎年違うデザインのオリジナルグッズが無料で配布されている。今年はブルー、白、キャンペーンのテーマカラーの黄色を基調としたさわやかかつポップなデザインだ。

中には大量の日焼け止め

   さらに、今回はキャンペーンの認知度向上のために、シドニー近郊にある有名なビーチ、ボンダイビーチに行く途中のバス停に、誰でもプレイできる「UFOキャッチャー」を設置。中には大量の日焼け止め「Pretty Shady Sunscreen」。

   2015年12月に公開された動画には、バス利用者だけでなく道行く人々がこのUFOキャッチャーをプレイする様子がおさめられている。一気に3つも手に入れているひとや、取った日焼け止めをさっそく塗っているひと、取った日焼け止めと一緒に写真を取っているひともおり、盛り上がりを見せたようだ。

   皮膚ガンの脅威を実感していない若い世代を対象にしているだけとあって、デザイン性のあるグッズやポップなキャンペーンサイト、ゲームマシンと、他人ごとと捉えがちな問題をより身近なものにしている。(執筆:中井千尋 編集:岡徳之)