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「普通のサラリーマン」の定義とは? 独身女性が結婚相手に望む「本音」

「大手の結婚相談所に話を聞くと、女性からいちばんニーズがあるのが、東証一部クラスの大手企業の課長クラスらしいんですよね。年収600~700万円くらいの30~40歳というところかな」(大木さん)

   先日、拙著『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)を刊行した記念に、「街コン」の仕掛け人で、100万人を超える街コン参加者の恋活・婚活をサポートしてきた起業家、大木隆太郎さんと対談しました。彼いわく、年収が「1500万円以上」「経営者」など、スペックが高すぎても、かえって「結婚できない男性が目立つ」そうです。理由は、そういう男性ほど「信念」があって、価値観の不一致で、結婚まで至らないこともしばしば・・・だとか。女性たちは「良きサラリーマン」を求めているのです。が、対談記事が公開されると、ツイッターでは、賛否両論が起こりました。

「年収が高ければいいわけじゃない」

「普通」って?
「普通」って?

   大木さんとの対談は、『本当は結婚したくないのだ症候群』で、私が独身女性たちにインタビューした部分を中心に進みました。大木さんも、現代女性のリアルな意見を聞いておられますから、対談はとてもスムーズでした。

   首都圏に住む多くの働く女性は、結婚相手に「安定」を求めています。ただ、その「安定」は、「年収1000万円以上の商社マンじゃないと嫌!」という感じではありません。「普通のサラリーマンがいい」のです。しかも、「普通のサラリーマン」の定義は、各女性によってバラバラ。

   「結婚相手の年収は1000万円以上あるといい」との声があったのも事実ですが、多くの女性は、「大企業のエリートサラリーマンでなくてもいい。ただ、安定した正社員がいい」とか、「年収にはこだわらないけど、浪費家はちょっと・・・」という感じ。こうした女性たちの発言を総合すれば、「組織への適応力がそれなりにあって、そこそこ真面目な男性」を求めているように思えました。

「そんなハイスペックな男性はいない!」

   先日、ニュースで「女性の賃金が過去最高になった」と報じられていましたが、主な理由は、人手不足や「勤続年数の増加」、さらには「女性役員比率のわずかな上昇」。若い女性たちにとって、そこまで「お給料が急に上がった!」と、実感できるものではありません(もちろん男性もそうだと思いますが)。男女の賃金格差は、男性を10とした場合、まだ、女性は7割くらい。だからこそ、「共働きでやっていきたい。育休中は私の収入が減るから、その分は、相手にそこそこ安定した収入があってくれればいい」と考える女性が多いのではないでしょうか。

求める条件が「多様で複雑化」

   それが、「普通のサラリーマンがいい」という女性の声に象徴されています。が、私が対談で、「普通のサラリーマンがいい、と答える女性が目立つ」と発言し、大木さんが「大手の結婚相談所で人気の男性は、東証一部クラスの大手企業の課長クラスで、年収600~700万円くらいの30~40歳」と応じ、さらに私が、昭和時代の「『良きサラリーマン』みたいな感じ」と返したことで、「『普通』のサラリーマンが、東証一部で年収600万円以上?」「絶望した」「理想が高すぎだろ」「普通のサラリーマンの理解が間違ってますよ」と、批判も頂きました。

   うーん、そうではないのに。改めて、女性たちの「生の声」を伝えるのは難しいと実感します。女性も男性も、相手に求める条件が(金銭的な部分も含めて)「多様で複雑化」しているからこそ、今の結婚難が起きているのですが・・・そうした、価値観のすり合わせがもっと進めばいいのでしょうけれど、今回は私の「伝え方」が、下手だったと反省している次第です。(北条かや)