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イケメンはボロボロに、しかし・・・ 豪メーカーの無茶振り「耐用」試験

   オーストラリアのビジネスマンは、他の国の人よりも長いフライト・長旅を経験しているという。確かにオーストラリアのシドニーから一番近い経済都市シンガポールへのフライトでも、7時間半~8時間ほどを要する。さらにニューヨークやロンドンへ出張するとなれば、1回乗り継ぎが必要で、うまくいっても20時間以上は軽くかかるそうだ。

   そんなオーストラリアのビジネスマン向けに、スーツを始めメンズアパレル全般を販売しているメーカー「MJ Bale」が、イケメンモデルに 『無茶振り』 をしたキャンペーンを2016年3月14日から5日間実施した。

過酷!5日間宿無しノンストップの旅

ついにロンドンに到着。眠そうなモデル(右)の横にはばっちり決めた他のモデル
ついにロンドンに到着。眠そうなモデル(右)の横にはばっちり決めた他のモデル

   キャンペーンの名前は「An Unsuitable Journey(不適切な旅)」。その名の通り、内容は「スーツを着用した人には向かない旅」に密着、その様子をFacebookやTwitterに投稿するというものである。MJ Baleは3月14日、同社が今冬販売予定であるオーストラリアの最高級メリノ(羊毛)を使用したスーツをモデルに着せ、彼に5日間かけてシドニーから冬物キャンペーンの撮影場所であるロンドンへ旅に出てもらったのだ。

   冒頭でもお伝えしたように、オーストラリアのビジネスマンは移動距離が長い。では、そのビジネスマンが着るスーツは、長距離の移動にも耐えられる品質なのだろうか。同社がこのキャンペーンで伝えたかったことは、まさにこれだ。

   スーツを着たそのモデルはシドニーからロンドンまで、飛行機を使って簡単に移動するわけではない。そのルートや使用する交通機関は、出発時点ではモデルには伝えられていない。5日間かけて、3大陸9か国を、飛行機だけでなく、鉄道、バス、トゥクトゥク、船、自転車、徒歩など、合計10の方法を使って旅するのだ。さらに、5日間、ホテル無しのノンストップ、1着のスーツでロンドンを目指すという過酷な条件で、モデルと彼が着たスーツにカメラマンが密着した。

髪はボサボサ、ヒゲも伸びて・・・

   5日間の長旅を終え、最後はブラックキャブでロンドン入りしたモデルは、ヘアメイクもせずそのまま撮影現場へ。髪はボサボサ、ヒゲも伸びて、どう見ても寝不足の顔。隣には、ばっちり決めた他のモデルが立っているので、恥ずかしいのか、その顔を手で覆いながらカメラに収められている。そして肝心のスーツはというと、出発時と変わらず決まっている様子。MJ Baleのスーツの品質を立証したいという目的は、無事達成できたようだ。

   このキャンペーンの一連の流れは、3月22日にYoutubeで公開された動画で見ることができる。シドニーで撮影用にドレスアップしたモデルが告げられた行き先は、ロンドン。それに戸惑いながらも「I've got to do it(やらなきゃだめでしょ)」と旅を開始。旅の序盤は、タクシーに乗せられた招き猫の真似をするなど余裕がありそうだが、次第にきれいにセットされた髪はどこかへ消えてしまい、寝不足でイライラしてタクシーで流れる音楽にも八つ当たり。

   最後には、このキャンペーンの結果分かったこととして「You can crush the man but you can't crush the suit.(この男性をくしゃくしゃにすることはできたが、スーツはできなかった)」と締めくくっている。同時に、旅の出発前後の写真が並べられて出てくるので見比べてみてほしい。(執筆:中井千尋 編集:岡徳之)