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人は「聞いた感じ」が4割とか アニメ声で苦労するのも当たり前?

   「メラビアンの法則」をご存知だろうか。心理学者アルバート・メラビアン博士が行った研究から導かれた解釈で、話し手に対する好意や反感などの感情を引き起こす要素としては、表情や視線などの視覚情報が55%、言葉の意味や話の内容などの言語情報が7%、そして声と話し方の聴覚情報が38%を占めるというものだ。

   つまり、話し手にいい印象を与えるにせよ、悪い印象を与えるにせよ、見た目の次に「声」が重要、ということ。まあたしかに魅力的なボイスをもつ人は得なような気はするが、では独特な声の持ち主はどうか。実は、思わぬ悩みを抱えたりしているようなのだ。

周りは可愛い声というが

面接官はアニメ声が嫌いですか
面接官はアニメ声が嫌いですか

   Q&Aサイト「Yahoo!知恵袋」に、「生まれつきいわゆるアニメ声」という投稿者からの相談が寄せられている(2016年5月20日)。

   「アニメ声」とはアニメの女の子キャラクターが発するような、幼く可愛らしい声を指す。悩める彼女によれば、「周りの人は可愛い声だと言って下さる」そうだが、「私は気持ち悪いとしか思えません」という。

   普段はできるだけ落ち着いた声を出そうと心がけているが、接客のアルバイトで大きい声を出す機会が多く、「お客様に不快な思いをさせてるのではないかと不安です」。声優を目指しているわけでもなく、「正直、社会に出るのも今から不安」と、かなり気に病んでいる様子。

「私と同じような方がおりましたら、どうしてますか?また、アニメ声高い声の店員をどう思いますか?」

と、意見を求めている。

一発で店と顔を覚えちゃう

   回答者からは、

「落ち着いた感じの声、を心がけるよりは言葉遣いや話し方に気を使った方がいいかもしれない。カン高い声で早口だと余計にアニメっぽくなるし」
「就職のときに落ち着いた声を出すようにすればいいと思いますけどね...きっとよく通る声なのでしょうし、私はかわいい声の方は本当に羨ましいです」

など、親身のアドバイスが寄せられたほか、

「そう言う店員さんがいたら一発でその店と顔を覚えちゃいますね。強烈なキャラクターは時としてその店の広告塔になったりするものです。店としてはお客さんの頭に店の存在が記憶されると言うことは嬉しい事だと思いますよ」

と、「アニメ声、いいじゃん」と押す声も。一方で、

「一般的に企業の面接官はアニメ声がお好きではないようなので、就職先には苦労するかもしれません」

と、ちょっと恐ろしい予言も書き込まれている。

   世の中には「アニメ声」ゆえに面接で苦労した人も実際いるようだ。

   ヴォイスティーチャーの白石謙二氏が著書『実践一目置かれる声の出し方・磨き方』(14年7月発売)で、高めの通る声で「アニメ声」と言われたこともあるという21歳女性の体験談を紹介している。

   その女性は就活を始める際、大学の就職課の担当者に「君の声はわざと出しているの? 面接ではあまり受けがよくないから、もっと普通に話したほうがいいですよ」と言われたそうだ。面接を受けると「面白い声してるねえ。声優に向いているんじゃない?」「もっと落ち着いて話せないのかな」などと言われ、好感触をつかめなかったという。

   悩んだすえ、彼女はボイストレーニングを受けることに。落ち着いた声を手に入れると、声の響きも良くなり、みごと第1志望の企業から内定をもらったそうだ。(MM)