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「対等ぶってる」とお叱り頂戴 人様に「夫」と紹介したために

   Q&Aサイトの「発言小町」に、ある女性から「目上の人の前で、配偶者のことを『夫』と呼ぶのはマナー違反でしょうか」という書き込みがあった(2016年8月21日)。

  • 「主人」はどちらか
    「主人」はどちらか
  • 「主人」はどちらか

「主人」に強い嫌悪感はないが

   女性は30代後半、結婚4年目。日常生活ではあらたまった場所でも配偶者のことは「夫」と呼んで通している。「主人」という呼び方に「言葉尻をとらえて、『私はお手伝いさんじゃないのよ!』というほど強い嫌悪感はない」が、夫は学生時代の同級生であるため、使うことに違和感がある。

   ところが、これまでに何度か、

「目上の人や年配の人、夫側の知り合いの前ではマナー違反。『主人』と呼ぶ方が心象が良い」
「妙に対等ぶって『夫』と使いたがる女性は賢しらで生意気に思われる」
「せめて外では一歩下がった振る舞いを見せた方が、あなたやご主人の株があがる」

と忠告を受けたという。女性は、

「あらたまった場で『旦那』と呼ぶのはもちろんNGですが、『夫』は公的にも使われ、一番ニュートラルな呼び方ではないのでしょうか」

と問いかけた。

続柄で紹介するのはいかがか

   多勢だったのは「夫派」からの援護射撃だ。

「夫でいい。『妙に対等ぶって賢しらで生意気』だなんて。平成だというのに、こんな男性優位がまだあるのですね。対等ぶって、ではなく夫婦は対等。夫と呼んで何が悪いの?」
「私は夫と呼びます。法律用語は夫、妻 です。人がどう呼ぼうが気にしません。」
「私も夫です。知人には『うちの相方』という人もいますが、漫才師みたいだな~と感じて私は使えません」

   TPOに応じて使い分けるという「柔軟派」も少なくない。

「他人との会話で『主人』なんてのは、単なる記号ですよ。共通認識を得るためのアイテムにすぎません」
「小生的には『主人』という言い方に極端に嫌悪感がなければ、単に使い分ければいいのではないかと思いますがねぇ」

と武張った議論を受け流す。

   ところが、というか、やはりというか「主人派」の音量が大きい。

「夫より稼いでいますが、『主人』といいます。外で夫や旦那という言葉を使うのが好きではないからです」
「『夫』は続柄。社交の場において一番失敗がないのは、やはり『主人』という呼び方。一家の主たるご主人を、社交の場で続柄で紹介してしまうというのは夫の立場もなくしますし、妻の印象も下げてしまいます」
「当方50代半ばですが、かつては正式な場では『主人・家内』でした。もっと古い大正時代の祖父母は『おまえさん・おまえ』でしたね。まあまだ昭和の世代も年長者として多いので目上の人の前では『主人・家内』が無難かも」

「宅」ではどうだろう

   「主人」という呼び方がどうしても引っかかるというならば、いっそ別の呼び方をしては、という提案もあった。

「サザエさんや伊佐坂先生の奥様なんかは『宅』ですよね」
「私も夫と呼びますが、目上の人の前では『○○が』と苗字で呼び捨てにします」
「対外的には苗字、親族・友人には名前で呼びましょう。たとえば佐藤一男さんという方ですと、対外的・目上の方には『佐藤が...』と苗字を使い、親族・友人間では『一男が...』でよろしいかと存じますよ。ご主人側の親族には『一男さん』と敬称をつけてあげてくださいませ」

   ツイッターをのぞいてみると、

「夫のことを主人と呼ぶ呼び方は、滅べばいいのに」
「なんか旦那って呼ぶと下品?低俗?な雰囲気だよね」
「既婚者の方で配偶者を旦那、嫁って呼ぶ人は信用出来ない。教養ない感じ丸出しで嫌だ」

など感情むき出しの主張がいくつも見つかる。

   この問題が紛糾すると、あるいは夫婦別姓といった議論につながるのかもしれない。配偶者を何と呼ぶかで品性や教養まで値踏みされてはかなわないから、何か差しさわりのない呼び方が見つかるといいのだが。(KM)