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マナー講師の私が葬儀で大失敗 くれぐれも身じたくは万全に

   先日、葬儀帰りの友人とバッタリ会い、久しぶりなので「ちょっと一杯行こうか?」と誘ったら、「いや......今日は早く帰りたいから」と珍しく断るのです。確かに、葬儀帰りに明るく飲む気持ちにはならないわよね......と思っていると、断ったのは違う理由からでした。

  • 葬儀に出かける機会は突然に
    葬儀に出かける機会は突然に
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気づいた時にはすでに遅く

   彼曰く、「午後から葬儀があるため、今朝は喪服と黒い靴、黒いベルトを携えて出かけたのに、ベルトと靴を替えるのを忘れ、茶色のベルトと靴で行ってしまった。恥ずかしくて一刻も早く帰りたい」とのこと。

   それを聞いて私も昔、葬儀場でしでかした失敗のことを思い出しました。

   私も友人同様、葬儀前に仕事があり、喪服を持参したのですが、着替える際にストッキングを黒に履き替えることを忘れ、気づいた時にはすでに焼香の列に並んでいました。履き替えたいけど、着替え一式は最寄り駅のコインロッカーに入れてあるし、焼香の順番はすぐそこまで来ているし......。

   それまで心穏やかに並んでいたのに、ストッキングに気づいた瞬間、逃げ出したい気持ちになり心がザワザワ。おまけにそこにはメディアが取材に入っていて、葬儀場への出入りに全員がカメラのフラッシュを浴びることに。参列者、メディア関係者の視線が冷たく刺さる(ような気がする)。よりにもよって、私の仕事はマナー講師!

   「あってはならない失敗をしてしまった!」

   焼香の間も、ご遺族の方々に「まぁ、なんて格好で来ているのかしら」と心の中であきれられているのではないかと気が気でなく、故人へのお別れの言葉も、ご遺族へのお悔やみの言葉もきちんと伝えられなかったような気がします。

真っ赤な腕時計に釘づけ

   これは参列した私の失敗談ですが、ほかにこんな経験もあります。

   私の親戚の葬儀の際に、火葬場のあるスタッフが、黒のスーツ姿に髪の毛をツンツンと立たせ、そしてなんと赤いベルトのダイバーズウォッチをしていました。これにはさすがにビックリで、私の目は真っ赤な腕時計に釘づけとなりました。斎場の上司や同僚は注意しないのでしょうか。今でも忘れられない光景です。

   会葬は突然訪れます。職場で急遽、会社関係の葬儀の受付係、斎場への案内係などの手伝いを頼まれる機会もあるでしょう。その際、上述したように、靴やベルト、ストッキング(靴下)、腕時計やアクセサリーなどの小物、そしてネイルやメイクなどを葬儀にふさわしいものにととのえるのを忘れてしまうことがあります。

   葬儀に出向く際には、身だしなみを細部までしっかりと確認してから出かけたいものです。(篠原あかね)