2020年 8月 9日 (日)

わが社は「あちら様」と無関係 【知っておいてもいい企業1】

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   今週から「日本人が知っておいてもいい企業」と題する企業情報を、当「シューカツ異種格闘技戦」に織り込んで行こうと思います。

  • 「鉛筆」はグループではありません
    「鉛筆」はグループではありません
  • 「鉛筆」はグループではありません

視点を変え企業を見ていく

   日本で新卒採用をアクティブに実施している企業は、2万社から3万社といわれています。学生であれば、知名度の低い企業はもちろん、業界内でトップシェアを持つ企業であってもよく知らないでしょう。これは「今どきの学生は~」という世代論の問題だけではありません。私も、この就活取材を始める前までは知らない企業ばかりでした。

   ニッポン株式会社を支える企業とはどんなところか、視点を変えて見ていく。それが、今回から始めるシリーズの狙いです。第1回は「社名から誤解される企業」。

   2015年9月、安保関連法案の審議で国会とその周辺が揺れ動くなか、ある大学教授が、法案反対の立場から、

「三菱のものは明日から鉛筆1本買わないことが大事!」

とデモに参加した聴衆に訴えたといいます。要するに、防衛産業分野を扱う三菱重工やそのグループ企業の商品に対する不買運動を展開することで世論の圧力をかけよう、という趣旨です。

   安保関連法案の是非や、不買運動の呼びかけが妥当であるかはさておくとして、アンチ三菱を分かりやすく説明するために身近な鉛筆を挙げた、というのは筋が通りませんでした。なぜなら、三菱鉛筆という会社、実は三菱グループとは全く無関係の企業だからです。

   三菱グループでないのに、なぜ三菱を冠しているのでしょうか。

   同社は1901年、当時の逓信省に「局用鉛筆」を納品。それを受けて、1903年に「三菱」を商標登録しました。これは三菱財閥より10年早い話(三菱財閥は1914年)です。三菱財閥(現在の三菱グループ)との関係を終戦後のGHQも勘違いしたといいます。社名を「眞崎大和鉛筆」から「三菱鉛筆」に改めたのは1952年でした。企業サイトには、三菱グループとは無関係である旨、三菱鉛筆のマークの由来なども含めて沿革が記されています。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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