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中高年ハローライフ、海外にも 世間体から解放され自由な日々

   先日、村上龍の『55歳からのハローライフ』という本を読みました。この本は、50代シニアが今までの仕事中心の生活から離れ、自分の「ライフ」を受け入れる必要に迫られ、様々な葛藤をする様子を描いた中編連作小説集です。

  • 海外で「自由」を手に入れてみるのはどうか
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なぜ転職できないのか

   その中に、大企業の部長職を務めたのち早期退職した男性が、再就職できず、自分を見つめ直すという話があります。

   そのような人たちがなぜ転職できないのか。理由はいくつかあります。

   そもそも働いていた会社での仕事が時代と合わなくなっており、それが早期退職の原因となっている。大企業の50代はもらってる給料ほど会社の利益に貢献していない。そして、なにより大きいのが彼らのプライドと世間体です。

   こんな人たちに、前回の記事で書いた、タイでコールセンターというのは悪くない選択肢かなと思います。理由を挙げると、

・コールセンターの仕事は、接客業なので、日本の会社でお客様と向き合ってきた人のスキルがそのまま役に立つ
・若い日本人の同僚が多いため、その指導の仕事もできる
・場所がタイなので、世間体などと全く関係がなくなる

   給料の面では、日本で働いていたよりも圧倒的に低くなりますが、物価は日本より安いです。生活費も安くなるため、割増退職金をもらった人なんかはそのお金を有効活用できます。さらに、手持ちの預金を隣のカンボジアでUSドル定期預金にして6%の金利をもらえば、給料+金利でなかなかリッチな生活ができます。

   実際にこのような選択肢をとる人が少しずつ増えており、話を伺ったマスターピース・グループ株式会社にも、中高年の応募が増えているようです。

   同社によれば、そのような人材がいるため、例えば新規で金融業のコールセンターの仕事が入ったときに、社内のスタッフのキャリアを確認して「銀行で30年働いてました」という人をみつけて、その人を中心にチームを組むなんてことができているそうです。

   中高年に限らず、日本人は「世間体」というなんの形も実態もないものに囚われて自分の選択肢を狭めている人が多いです。そういう人は、海外という「世間体」から解放されたところに移動することで、自由に楽しく生きられるようになるのではないかと思っています。(森山たつを)