2024年 4月 17日 (水)

時間を売るのがサラリーマン? 能力・実績は評価が難しいが(江上剛)

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「サラリーマンは時間を売る商売でしょうか、それとも能力を売る商売でしょうか。時間を売っているとすると空しい気がします」

   すさまじい質問だね。

   あなたの疑問は分かる気がする。自分では能力を売る商売だと思っているんだね。商売という表現が悪ければ、能力で評価をしてほしいってことだね。

  • 時間を売る商売であれば空しいのではないか
    時間を売る商売であれば空しいのではないか
  • 時間を売る商売であれば空しいのではないか

「彼は、しょせん、グリコだ」

   しかし実際は、能力がなく、ただだらだらと時間だけ会社にいる人が高い給料を取っているのを我慢できないんだろう。

   サラリーマンは時間を売る商売ではないと考えているから、もしそうだとすれば空しい気がするわけだ。あなたの考えは間違っていない。サラリーマンは能力を売る商売だ。

   私は人事部で仕事をしていたけれど、社員を機械か何かのように時間で働かせると考えたことなんかない。採用の時も能力を判定するし、昇格の時も能力を判定していた。

   しかし能力というのは判定が難しい。人事部の時、こんなことがあった。

   昇格対象はA君とB君。A君は私立大卒。B君は東大法学部卒。実績は間違いなくA君の勝ち。

   ところが先輩の人事担当者が「B君のほうが潜在能力が高い。A君は、しょせん、グリコだ」と言った。グリコとは、グリコのキャラメルのキャラクターで万歳をしながらゴールする陸上選手の脇が空いているところから、「脇が甘い、能力がない」ということを意味していた。

   私立大卒の私は先輩に噛みついた。

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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