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国公立大でも初年度176万円 教育費を借りるベストな方法は

   親にも子にも緊張を強いる受験シーズンの真っ只中だ。合格は朗報だが、その後には大きな出費が待っている。

   日本政策金融公庫の2015年度調査によると、高校入学から大学卒業までに必要な教育費は約900万円(通学費や教科書・教材費、学習塾・家庭教師の月謝等を含む)。

   大学に限ると、国公立大学で自宅通学の場合、初年度約176万円、2~4年目約94万円、4年間合計約458万円。私立理系(医歯系除く)で自宅外の場合、初年度約454万円、2~4年目約303万円、4年間合計約1363万円。

   子供のアルバイトを想定したとしても、貯蓄や学資保険では賄えず、節約しても追いつかないとなると、奨学金や教育ローンを考えざるを得ない。

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奨学金と「国の教育ローン」併用も可

   代表的なのは、日本学生支援機構(旧・日本育英会)の奨学金(以下、奨学金)と日本政策金融公庫の「国の教育ローン」だ。

   学生本人が借りる奨学金は、無利息の「第一種」と利息(2016年3月貸与終了で利率固定方式0.16%、利率見直し方式0.10%)が付く「第二種」、ほかに「入学時特別増額」がある。

   奨学金の成績要件を満たせない場合は、成績要件がない国の教育ローンを親が借りる。利率は固定1.81%(2016年11月10日現在)。在学中は利息のみの返済も可能で、親が借りて在学中は利息だけを返し、卒業後は就職した本人が元利を払うといった方法もある。

   奨学金は入学後の貸し付けになるので受験料や入学金に充てることができないが、国の教育ローンは入学前に借りられる。

   国の教育ローンと奨学金は併用できる。そこで入学前に必要な費用は一括振込の国の教育ローンで賄い、入学後は毎月定額振込の奨学金を積み立てておき、授業料その他に充てることも可能だ。

   ただし、国の教育ローンにも審査があり、借りられないこともある。 また、受験シーズンには申し込みが殺到し、通常よりも審査日数が長くなる。申し込みは1年中いつでも可能。合格発表を待たず、早めのほうがいい。

○○大学提携ローンに注意を

   銀行や信販会社など民間金融機関の教育ローンもある。銀行系の利率は2~4%、信販系は4~12%といったところ。借りやすいが高くつく。信販会社が大学などと提携した学校提携ローンがあり、 学校のパンフレットに「○○大学提携ローン」と記載されていることがあるが、奨学金や国の教育ローンとの利息の差は大きい。

   日本学生支援機構によると、大学生の2.6人に1人が奨学金を利用している。一方で卒業後の返済が思うようにいかず、延滞してしまう若者が増えている。新入社員を対象にした奨学金返済支援制度を導入した企業も登場している。

   希望の就職ができても何百万円もの借金を背負って社会に出るのは大変。親にしてもらったことを子にしてやることができないという、父母の忸怩たる思いもある。しかし、背に腹はかえられない。親子で話し合い、負担の少ない方法を模索するしかなさそうだ。(阿吽堂)