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神戸製鋼の取引先、国内に6100社超 56%が中小企業

   検査データを改ざんしたアルミや銅製品の出荷先が、国内外で500社にものぼることが判明した神戸製鋼所グループと取引のある国内企業が、全国で6123社にのぼることが帝国データバンクの調べでわかった。

   全体の56.0%を占める3430社が、年間売上高で「10億円未満」の中小企業だった。

  • 神戸製鋼の取引先、国内だけで6100社超にのぼる(写真はイメージ)
    神戸製鋼の取引先、国内だけで6100社超にのぼる(写真はイメージ)
  • 神戸製鋼の取引先、国内だけで6100社超にのぼる(写真はイメージ)

自動車、航空機、新幹線...... 供給先幅広く

   不正が明らかとなったアルミ製品などはこれまで、自動車や航空機、新幹線など幅広い分野に供給されている。2017年10月12日には、神戸製鋼の川崎博也会長兼社長が「信頼度はゼロに落ちた」と言及。陳謝したものの、一向に事態収束の気配が見られず、国内外の企業に影響がさらに広がる可能性もある。

   そうしたなか、企業調査の帝国データバンクが、神戸製鋼所グループと取引がある国内企業(個人経営、各種法人など含む)を抽出し、都道府県別、業種別、年間売上高別に調査、分析。10月16日に発表した。

   調査によると、神戸製鋼と取引のある国内企業は全国で6123社。このうち、仕入先・下請先が3948社、販売先が2688社を数えた(仕入先、下請先、販売先での重複企業あり)。神戸製鋼が明らかにしている500社の出荷先についても、「一部が含まれていることは確認しています」(同社情報部)という。

   業種別では、仕入先・下請先企業では「一般機械器具卸」が163社でトップ。次いで、「機械器具設置工事業」が135社、「一般貨物自動車運送」の115社、「鉄鋼・同加工品卸」が91社だった。また、販売先企業のトップは「建設機械器具賃貸」の219社。「鉄鋼・同加工品卸」が199社、「土木工事業」の157社、「建設・鉱山機械卸」の133社と続いた。

都道府県別のトップは「大阪府」、次いで「兵庫県」

   年間売上高別でみると、「1億円以上10億円未満」が2887社でトップ。「1億円未満」の543 社と合わせて、全体の 56.0%が年間売上高で10 億円に満たない中小企業であることがわかった。

   その一方で、「100億円以上500億円未満」は418 社、「500億円以上1000 億円未満」が85社、「1000億円以上」が172 社と、大企業の取引先も全体の 1割強を占めた。

   都道府県別にみると、「大阪府」が 1146 社を数え、全体の 18.7%を占めてトップ。次いで、神戸製鋼の本社のある「兵庫県」が 997 社。3 位は「東京都」の875社、4 位は「神奈川県」の 282社、5 位は「広島県」の 243社と続く。製鉄所や工場、製造所といった主要設備がある都府県が上位を占めた。  帝国データバンクは「製鉄所や工場、製造所などの主要設備があり、取引先数の多い大阪府や兵庫県などの業者への中期的な影響もあわせて注視する必要がある」としており、余波を懸念している。