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【新シリーズ】個人事業主と法人、どっちがいい? カス丸、「決め手」に悩む

   前回、個人事業主と法人の違いを教えてもらったじぇい。
   どっちにもメリット・デメリットがあってしっかり見極めるべきってことだったけど、いったいどうやって見極めるのか? そこはまだよくわからないじぇい。
   ボクとしては、編集プロダクションを会社として立ち上げたいと思っているんだけど、現実的にどうなんできゃすか?

社会的信用は圧倒的に法人が有利!

   カス丸くんは、法人としての起業を希望しているんですね。法人、個人事業主の違いは前回お話しした通りです。では、実際にどのようなポイントを見て見極めるべきなのか、具体的にお話ししていきましょう。
   これまでのニュース記者としての経験を活かし、編集プロダクションを立ち上げたいと考えているんですよね?

   そうきゃす。取材で関わった企業さんやライターさんもたくさんいるし、企業広報誌やフリーペーパーをつくるところから始めて行こうかと思っているじぇい。
   ゆくゆくは、販促物を自社でつくったりしていけるようになればいいなぁ......

   なるほど。
   編集プロダクションとして仕事を請け負う場合、多くは企業や出版社と取引を行うことになりますよね。そうなると、個人事業主より法人のほうが有利と言えます。
   前回お話ししたとおり、法人は個人事業主に比べて社会的信用が大きいんです。企業によっては「法人としか取引しない」というところもあるんですよ。
   実際に、「今まで取引していた企業が法人としか取引しなくなってしまったので、個人事業主から法人にしたい」というご相談を受けることもあります(このように、個人から法人になることを「法人成り」といいます。
   それに、自分の会社には優秀な人材を雇いたいですよね。採用される側からすると、社会的信用が高く、社会保険への加入が必須である法人に就職したいと考える人のほうが多いでしょうから、やはり法人のほうが有利だと言えます。

   でも、会社の設立ってお金がすごくかかりきゃすよね。自己資金は少しあるけど、それで全部賄えるほどは貯まってないじぇい...... それで会社を設立するなんて、無謀なんきゃすか。

カス丸、法人での起業をオススメされる

   確かに、自己資金が多いに越したことはありません。たとえば、自分がお金を貸す立場だった場合、貯金がある人とまったくない人と比べると、貯金がある人に貸したいと思いますよね。金融機関も同じです。
   ただし、会社設立に当たって、すべて自己資金で賄えるほど余裕のある人はそう多くはありません。そんなとき、金融機関からの融資や公的融資制度の利用が視野に入ります。こういった借入れなども、法人であるほうが有利な場合が多いです。
   以上のことを踏まえると、カス丸くんは法人での起業がオススメですね。

   ついに、起業が現実味を帯びてきたじぇい。それじゃあ、融資を受けてサクっと会社設立しちゃおう!

   いえいえ、まだやらなければならないことはたくさんありますよ! ひとくちに「会社」と言っても、さまざまな種類がありますからね。

   ええっ! 会社って種類があるんきゃすか? じゃあ、ボクに合った会社っていうのもあるってことだじぇい!

   ええ、そうですよ。次回は、主な法人の種類について勉強して、カス丸くんに適した会社を選びましょう。

【きょうのポイント】

(1)社会的信用の高さから、企業との取引、人材の確保などの面で法人のほうが有利
(2)開業資金が自己資金で賄えない場合でも、法人のほうが融資が受けやすくなる場合が多い