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本当か!?「株価3万円」の現実味 マネックス証券が解説

   東京株式市場の日経平均株価が、取引時間中として約26年ぶりに2万3000円を上回るなか、マネックス証券が予測する株価「3万円」は本当に実現可能な水準なのだろうか――。

   2017年11月9日、「日経平均3万円への道」をテーマに、マネックス証券がセミナーを開催。同社の松本大社長とチーフアナリストの大槻奈那氏、チーフ・ストラテジストの広木隆氏が見解を語った。

  • 勢いづく株価、「3万円」は実現可能なのか!?
    勢いづく株価、「3万円」は実現可能なのか!?
  • 勢いづく株価、「3万円」は実現可能なのか!?

今後は株価上昇が国民のコンセンサスになる

   松本大社長は、「日経平均株価は2019年3月末までに3万円に達するだろう」という。

   理由は3つ。安倍晋三首相の続投で、金融緩和が続く。「まず、これが株価上昇にとって最重要」という。次に、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のポートフォリオの日本国債の比率が小さくなり、日本株比率が高くなっており、これからさらに高くなることも重要な意味合いがある。「株価上昇的な施策は今まで、金持ち優遇だと批判、敬遠されがちだったが、今後は国民的なコンセンサスとなっていきやすい。つまり、米国化していくだろう」と説明。

   最後に、1987年のブラックマンデー後から、日本株の時価総額は約2倍になったが、日経平均はほぼ変わっていない。一方、米国では、時価総額もダウ平均も約12倍になっている。「日経平均は入れ替えが少なくて経済の成長をよく表していない。しかしこれが最近では、上場企業のインデックスからの強制退場という形で新陳代謝が速くなってきた。おまけを付けると、チャート的にも日経平均はここから上は軽い」と指摘した。

   「これらの『質』の変化は重要」で、株価は「1年半ほどで3万円に達する」としている。

金融機関の財務力は史上最強レベル

   大槻奈那氏は、金融環境からアプローチ。世界の総債務は過去最大の2京円近くまで膨張したものの、「金融機関の財務力が史上最強レベルとなった」ことから、当面、危機再燃リスクがすごく低い。さらに、消費者のセンチメントは世界的に改善しており、過去最高レベルに近づきつつある。これらにより日経平均のPERも現在の15倍程度から米国株の水準(18倍)程度へ、1割強は十分改善できる。2019年には、「現在の株価から3割増の3万円に届く可能性が高い」という。

   また、広木隆氏は「2019年3月期まで」に到達すると、強気。「現在、世界で起きている経済成長の加速は従来の景気循環的要素に、テクノロジーの進化など産業構造の転換という、大きな『うねり』が加わっている。これの流れはまだ当分続くだろう」と指摘。19年秋の諸費増税を不安要素としながらも、「(政府は)そこに至る前に景気回復を加速させていく」とみている。

   一方、9月半ばから始まった上昇相場はますます勢いづいている。11月9日の日経平均株価の終値は前日比45円11銭安の2万2868円71銭だったが、朝には一時、468円33銭高の2万3382円15銭まで上昇した。ちなみに、過去最高値は1989年末の3万8915円だ。