J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

常勤医の「ブラック職場」 約8割が当直後に連続勤務

   医師の過酷な労働実態が明らかになった。当直明け後の勤務体制について、78.2%の常勤医が「通常勤務」を強いられていることが、全国医師ユニオンや医労連(日本医療労働組合連合会)などの「勤務医労働実態調査 2017」でわかった。調査は2017年11月9日に公表された。

   連続勤務で、医師の集中力や判断力が低下すれば、誤診や医療事故につながりかねない。

  • 職場は「ブラック」!?
    職場は「ブラック」!?
  • 職場は「ブラック」!?

連続勤務は日常茶飯事

   「過労死ライン」に当たる月80時間以上の残業を超えている医師は、常勤医(当直なし)で4.9%、常勤医(当直あり)では7.3%だった。研修医はさらに高い数字だ。また、1か月の休みが「ゼロ」の常勤医は8.2%いた。

   当直をする常勤医の時間外労働は、月平均で約64時間。こうした長時間労働の背景には、夜間や休日の救急医療や重症者に対応する「当直勤務」が大きく影響している。当直明け後の勤務体制について78.2%が「通常勤務」と答えており、連続勤務が日常茶飯事となっているようすがうかがえる。

   また、当直明けの連続勤務と医療ミスとの関係についての問いでは、「(集中力や判断力が)通常時と比べて大幅に低下していると思う」が36.3%、「やや低下していると思う」が42.7%と、約8割が低下していると答えた。

   電子カルテの入力ミスなどの単純なミスを含む、診療時のミスについては、3割近い常勤医が「ミスが増えている」と答えている。

   さらに、労働時間の管理を「自己申告」(最多の51.6%)で任せているケースが多く、「タイムカードなどの客観的管理」(27.5%)や「管理なし」(17.6%)と、十分に管理されていない実態もわかった。

   なお、調査は2017年7~9月に実施。医労連などが学会や自治体を通じて約1800人から回答を得て、そのうちインターネットでの回答を除く1621人分を分析した。