2020年 4月 1日 (水)

VCはココを見る! 投資したくなる会社に「こんな上司」はいない(大関暁夫)

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   私の周囲に、同じように株式上場を目指していながら、タイプ的には好対照な二人の社長がいます。

   一人は、自身が技術者で製品開発の先頭に立つなど徹底したワンマン経営で会社を引っ張る精密部品製造L社のM社長。もう一人は営業畑出身で、技術スタッフの力を借りてIT技術を活用し、時代を先取りしたサービス開発で会社を発展させてきたIT系サービス業R社のF社長です。

  • ワンマン社長の取り巻きは、やっぱり……
    ワンマン社長の取り巻きは、やっぱり……

L社には高い「技術力」があるけれど......

   L社、R社の両方から、上場に向けた資本政策面での相談を受けている私は、ベンチャーキャピタル(VC)関係者の評価を聞こうと、まずは基本的資料だけで会社が持つ潜在能力や成長性の点でどちらにより魅力を感じるか、と複数の顔見知り関係者に尋ねてみました。 ちなみに私の個人の見解としては、現時点での事業の業界内での優位性やマーケットの成長性に関して、両社はほぼ互角と見ています。

   結果は、全員が即答で「L社」と回答。代表的な意見として、その中の一人であるS氏は、「会社概要を見ただけなのでマネジメント能力についてはわからないが」と前置きしたうえで、

「経営者自身に事業開発能力があるという点と、それゆえ確固たる組織の核としての強い求心力を有しているであろうと想像できる点により魅力を感じる」

と、話してくれました。

   基本情報では、L社の技術力が高く買われて当然かもしれません。技術者であるM社長は業界筋では著名な存在であり、これまでも多くの技術でオーディオ製品や携帯電話における画期的な進歩を手助けしてきたという「実績」があるからです。

   しかしながら、これまで企業としてのL社がなかなか発展軌道に乗ってこなかったのは、マネジメント上でいくつかの問題点があったからでした。

   ひとつは社員の定着率の悪さです。社長のワンマン体制と物言いの強さゆえに、自らの意見が通らずに辞めていく幹部社員が後を立たず、結果的に残った幹部はイエスマンばかりという流れに。その影響でイエスマンの下で働くスタッフたちは、嫌々上司を立てざるを得ず時には上司の保身の犠牲になって、社長から言われなき叱責を受けることもあったようです。昨年、勤続2年で他社へ転職した社員は、退職際にこんなことを言っていました。

「社長の物言いには夢を感じ、立派な志がおありであると思いましたが、とにかくイエスマン管理者に覆われた現場の実態が見えていない。私も含めて、これまで辞めていった社員の大半は、理不尽な思いに耐え切れなくなったという感じでしょう」

   L社のいびつな組織運営の実態が、定着率の悪さという形で表われていました。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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