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【実践編】投資を知ろう! 投資の基本の「き」  資産の分散化には3つある(ひろぴー)

   投資の基本として、「分散投資」という言葉があります。これは仮想通貨にも当てはまり、1つのコインに一極集中するよりも分散させておくことで、よりリスクを減らすことができるという手法です。

   ただ、やり方を間違えると全ての資産が大暴落して目も当てられない状況に、ということになります。

   今回は分散投資の基本と仮想通貨のケースについて、お話したいと思います。

  • 投資の基本を学ぶ!
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ひとつの金融商品への「全力投資」は危険がいっぱい

   分散投資の方法には、

● 投資対象の分散
● 投資市場の分散
● 投資時間の分散

の3つの方法があります。

   株式でも、外国為替証拠金(FX)取引でも、仮想通貨でも、ひとつの金融商品に一気に全力で投資することはハイリスクリターンです。相場の状況を見ながら、うまく売買を行うように分散していくようにしましょう。

   【投資対象の分散】

   投資対象を複数に分散させます。それにより、ひとつの商品の価格が下落してしまっても、他の投資対象で利益を出す、もしくは損失を抑えるという方法です。

   たとえば、仮想通貨ではカタパルト(NEMの規格変更)実装後にNEM(ネム)が下落してしまった場合、Ethereum(イーサリアム)を保有していれば、その資産は価格の下落に巻き込まれない、というイメージです。

   仮想通貨では、基本的にbitcoin(ビットコイン)の価格に連動してアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)の価格が変動します。しかし、その通貨の期待度が高いイベント(ハードフォークやミートアップなど)が近かったり、「取引所トークン」のような独自コインなどは違う値動きをしたりする場合があります。

   ビットコインの方向性と違った値動きをする通貨を見つけると、何かイベントがあるのか、アップデートなどの材料があるのか調べるキッカケとなります。

   もし、仮想通貨全体が下がっている時は、米ドルや日本円などの法定通貨とほぼ連動した価値をもつ仮想通貨「USDT」やFiat(フィアット、米ドルや日本円などの法定通貨)にするなどキャッシュポジションに戻したほうがいいでしょう。

金融市場を見渡してみよう

   【投資市場の分散】

   個人投資家の主な投資先市場としては、株式や債券、コモディティ(商品)、為替、仮想通貨などの市場があります。このそれぞれに投資資金を分散して、たとえば株式市場が下落しても、仮想通貨やコモディティ市場で利益を出すという手法です。

   一般的に株価が上がると、リスクをとる投資家が増えるため、安全資産とされているゴールドの価格は下落します。この金融市場ごとの値動きの違いを利用しましょう。

   たとえば、2018年1月から4月にかけて、日経平均株価は2万4000円から2万1000円割れまで下落した後、2万3000円まで回復しました=日経平均株価 日足チャート参照。その一方で、仮想通貨市場は低迷したままです=ビットコイン/円 日足チャート参照

   仮想通貨市場で売買をするよりも、株式市場で日経225指数を買ったり個別銘柄を買ったりしたほうが、利益を出すことができたかもしれません。

― 日経平均株価 日足チャート ― 出所:Yahoo!ファイナンス ― ビットコイン/円 日足チャート ― 出所:bitFlyer

   仮想通貨から投資に入った人は、他の金融商品に目がいく人が少ないようですが、まずは他の金融市場の値動きを見てみてはいかがでしょうか。

購入のタイミングをずらして、毎回一定額を投資する

   【投資時間の分散】

   「ドルコスト平均法」という投資手法があります。 これは世界の基軸通貨である米ドルは基本的に安定しているという前提の投資手法です。 しかしながら、一度に投資すると、タイミングが悪ければ損失につながってしまう場合があります。

   それを防ぐために、購入時期をずらして、毎回一定額を投資します。そうすることで、価格が高い時は少なく米ドルが、安い時には多くの米ドルが購入できますので、購入コストを安くすることができるのです。

   外貨預金や純金の積み立て投資なども、これに当たります。

   仮想通貨はビットコインであっても少額から取引が可能ですので、長期的に価格が上昇すると見込んでいるのであれば、ドルコスト平均法のように毎月積み立てていくことも一案です。

   Zaifという取引所には「コイン積み立て」というサービスがあり、毎月一定額を銀行口座から自動的に引き落として、仮想通貨を自動購入していくことができます。手数料はかかりますが、初心者の場合はこういったサービスを利用するのもアリでしょう。

   【まとめ】

   仮想通貨の場合、上記以外にハッキングやシステムリスクに備えた取引所の分散、保管場所の分散も必要です。

   また、流動性を考えると時価総額100億円以下のいわゆる草コインは資産の10%程度にとどめておくほうがいいでしょう。もし何か悪材料があった場合に、板が薄くて売るのが困難となる可能性があるためです。

   2017年に保有するだけで爆発的な利益を出すことができた仮想通貨。18年は難しい値動きとなっていることは周知のとおりです。投資初心者の場合は、特に一点張りの全力投資を避けて、市場動向を見ながらリスクを抑えた投資を行いたいですね。(ひろぴー)