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誰もが損はしたくない それでも投資する人しない人! その違いは?(J.D.POWER)

   J. D. Powerの調査で、投資可能な年齢層(20代~60代)のうち、「3人に1人しか、資産運用開始時の『壁』を乗り越えられていない」こと、また投資に興味・関心があっても「その9割の人が『行動に移せていない』」ことがわかった。

   行動に移せないのは、なんらかの不安があるためだ。世界中で顧客満足度(Customer Satisfaction=CS)の調査をしているJ. D. Powerが「資産運用顧客満足度調査」から、その不安要素を分析してみた。

  • 投資をする人しない人、アナタはどっち?
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誰だってリスクや損することは怖い

   誰しも、損したくない。「資産運用を始めよう!」と言っても、自分のお金を投じるのだから、不安が付きまとうのはしかたがない。下図は、何もしていない人や情報収集しかしていない人、口座開設したのに資産運用を始められない人たちが抱える不安要素TOP3をみたもの。ここからは、二つのおもしろい傾向が見える。

あなただけではない、「リスク・損が怖い」「金融知識が乏しい」という共通の悩み?
あなただけではない、「リスク・損が怖い」「金融知識が乏しい」という共通の悩み?

   ひとつ目は、何もしていない人も、資料請求だけした人も、そして口座開設した人でさえも、「リスク・損が怖い」「金融知識が乏しい」という共通の悩みを持っている点だ。

   つまり、この「二つの不安」はアナタだけでなく、誰しも共通のもの。「損するのが怖い」から「資産運用は無理なんだ」と思う必要はまったくないといえそうだ。

   二つ目は、ステージがアップすれば、それなりの悩みが出てくる点だ。何もしていない人は「まとまった資金がない」、口座開設していない人は「始めるタイミングがわからない」、口座を開設したのに運用を開始していない人は「やり方がわからない」という。

   しかし、よく考えてみてほしい。

「まとまった資金がない」を理由に何もしていない人へ

   情報収集してからでも、資料請求をしてからでも、口座開設をしてからでも、「投資の勉強・研究」をしながらでも、お金を貯めることはできるはず。あるいは、まとまったお金がないならば、「積立型」を選び、「最低いくらからなら始められるのか」を調べてからでも充分とはいえないだろうか。

「始めるタイミングがわからない」を理由に口座開設をしていない人へ

   銀行の口座開設と同様、投資用口座の開設にも、少しの手間こそかかるが、お金はかからない。運用開始のタイミングは後でも考えられる。むしろ、そうこうしているうちに、ベストなタイミングが来てしまうかもしれない。ならば、まずは次のステージへの「準備」と割り切り、口座を開設してはどうだろう。

「やり方がわからない」を理由に運用開始をしていない人へ

   ここからは、少し慎重に考えてもよいかもしれない。これから資産運用を始める人、すでに資産運用を始めた人たちが、それぞれ市況・相場や運用方法について、どこの情報を見ているのかをみてみよう。

投資する人が見ているメディアはこれ!

   下図を見てほしい。

投資を始めている人は、登録や足を運ぶ手間を惜しまない?
投資を始めている人は、登録や足を運ぶ手間を惜しまない?

   グラフの青線は、これから資産運用を始める人がお金に関する情報をチェックしている情報源である。多いのは、「金融系ネットサイト」や「テレビ」、「新聞(一般紙)」などで、日々のニュースチェックの合間に金融や経済面も見ていると思われる。

   多くのビジネスパーソンが、通勤やランチタイムになにげなくやっているニュースチェックそのもの、といってもいいだろう。確かにこれらを見ているだけでは「やり方がわからない」という悩みは解決されないのはわかる気がする。なぜか――。それはチェックしている情報が相場だったり、企業動向だったり、「流れている情報」だからだ。

   では、資産運用をしている人が、有益度が高いと考えているお金の情報源は何なのか――。それはグラフの赤線を示したものだ。これを見ると、満足度が高いのは「投資家向けセミナー」や「金融機関主催セミナー」「投資関連メルマガ」など、自らが足を運ばなくてはならない、あるいは登録しなくてはならないこと。つまり、自ら学んで会得するための「情報源」というわけだ。

   アナタがもし、これから資産運用を始めようとしているならば、まず自分が今どのステージにいるのかを知ろう。

   資産運用の情報収集も、投資用口座の開設も、ちょっと手間だが基本的にはタダだから、ここまでは誰でもスイスイできるはず。ならば、「今すぐ始めてステージアップしよう。むしろ、手間や時間や労力やお金をかけて進めるのは、口座を開設してからの情報収集だ」。資産運用を始めている人からのメッセージは、そこにあるのかもしれない。