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「挨拶」はビジネスマナーの基本 「ことば」に出せない人「偏見」があるかも(篠原あかね)

   新入社員研修の繁忙期を迎えました。

   社会人1年目のビジネスパーソンに向けて、仕事を進めるうえでの基本事項やビジネスマナーを指導します。特に「挨拶」は新入社員でも今すぐに、確実に行えるビジネスマナーの基本です。

  • 挨拶の効用
    挨拶の効用
  • 挨拶の効用

社員食堂で「ごちそうさま」を言ってますか?

   先日、経営者の集まりで「社員食堂のスタッフに挨拶をするか」が話題となりました。 ある社長の話では、

「自分が会社員だった頃は、配膳スタッフに必ず『ありがとうございます』『ごちそうさまでした』と言っていた。しかし、自社の社員を見ていると、無言で料理を受け取り、食後は黙って返却口にトレイを置いていく社員が増えた」

とのこと。

   確かに、私が会社員時代にもそのような振る舞いをする社員がいました。

   スタッフが

「いらっしゃいませ。どうぞ」
「お疲れ様です」
「ありがとうございました」

と、挨拶をしても無視です。

   食堂以外ではエントランスの警備員、掃除スタッフの皆さんも必ず挨拶をしていました。

   しかし、これらの挨拶にきちんと挨拶を返す人はどのくらいいるのでしょう?

   私は挨拶をしない人についてこう考えています。「心のどこかで相手の職業を見下しているのではないか」と。

ある横柄な男性社員のケース

   これはある男性社員の話です。

「この前、昼食後にトイレで歯磨きをしていたら鏡に歯磨き粉が飛び散った。すると清掃係の女性が『私がきれいに拭き上げたすぐ隣で、こんなに飛び散らかさないでください』と怒られた。清掃するのが仕事だから、また拭けばいいのに文句を言うなんておかしい」

と、不満な様子。しかし私は、女性がひと言言いたくなる気持ちがわかります。

   女性は使命感を持って仕事をしたのに、その隣で当り前のように汚されたら、悲しい気持ちにもなるでしょう。せめて「お疲れ様です」「鏡が汚れてしまいました。ごめんなさい」などの声をかければ、女性も快く拭いたのではないでしょうか。

   ちなみに、この男性はレストランのスタッフやタクシーの運転手さんにも横柄な態度で有名です。ひとつ間違えると、職業差別にあたるかもしれないのです。おそらくは皆さん、不愉快な態度を取られても、グッと堪えて仕事をしているはずです。

   職業で挨拶の有無を決めるのではなく、人と関わるうえで挨拶は基本中の基本です。自分から積極的に挨拶をすることで、よい人間関係を築き、心も磨いていきたいですね。

(篠原あかね)