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NBAのニューヒーロー 米国が絶賛する八村塁選手の「ウリ」はココだ!(井津川倫子)

   バスケットボールの世界最高峰、北米NBA(男子プロバスケットボールリーグ)のドラフト会議で、ワシントン・ウィザーズが米ゴンザガ大学の八村塁(はちむら・るい)選手を1巡目で指名。ニューヒーローが誕生しました!

   初年度の年俸がなんと最大4.9億円(推定)というのも驚きですが、現地報道によると、ワシントン・ウィザーズが評価する八村選手の「ウリ」は意外なところにありました。

   大リーガー、大谷翔平を超えた 世界のHachimura

   日本人として初めて、富山県出身の八村塁選手が北米NBAのドラフト1巡目、全体9位でワシントン・ウィザーズから指名を受けました。

Rui Hachimura became the first Japanese player selected in the first round of the NBA draft
(八村塁選手は日本人選手として初めて、NBAドラフトの1巡目で指名された)

the first round:1巡目

NBA:National Basketball Association

   今回、八村選手が指名されたNBAドラフトで指名されたのはたったの60人。米国の4大プロスポーツのうち、大リーグ・ドラフト(野球)では1000人以上、アメリカンフットボールNFLやアイスホッケーNHLでは200人以上が指名されることと比べると、圧倒的に「狭き門」であることがわかります。

   NBA選手の年俸も群を抜いていて、1位指名選手の初年度年俸は7億円との報道も! 八村選手の年俸は4.9億円(推定)で、同じく米国で活躍する大リーガーの大谷翔平選手の年俸7200万円(推定)と比べてもケタ違いの高給です。

   並み居る強豪選手を押しのけて、それほどの「狭き門」をくぐり抜けた八村選手。何が「スゴイ」のか、とても興味がわきます。

   シュート力? それともフィジカルの強さ? 米紙の報道によると、ワシントン・ウィザーズの首脳陣はおしなべて、八村選手の「ある点」を「セールスポイント」だと評価していました。

Rui Hachimura is a 'late bloomer' in basketball
(八村塁はバスケットボール界では「遅咲き」だ)

"Late bloomer"is one of the biggest selling points for the Wizards
(「遅咲き」は、ウィザーズにとって最大のセールスポイントの一つだ)

late bloomer:遅咲き

selling point:ウリ、強み、セールスポイント

   「late bloomer」(遅咲き)は、「late」(遅い)と「bloom」(咲く)を組み合わせたことばで、日本語の「遅咲き」と同じ意味です。米紙の報道によると、中学生になってバスケットを始めた「遅咲き」の八村選手は、「たった8年のキャリア」しかない点が「魅力」だと評価されているそうです。

   もちろん、バスケットの才能も優れているのでしょうが、「遅咲き」が魅力とは予想外でした。ウィザーズの首脳陣は八村選手のことを、「he was heaven-sent」(彼は天からの贈り物だ)とも評しています。諸手を挙げての絶賛ぶり、日本人としてはうれしい限りですね。

  • NBAのニューヒーロー、八村塁選手の「ウリ」は……(写真はイメージ)
    NBAのニューヒーロー、八村塁選手の「ウリ」は……(写真はイメージ)
  • NBAのニューヒーロー、八村塁選手の「ウリ」は……(写真はイメージ)

「セールスポイント」は和製英語、正しい使い方は......

   八村選手の「魅力」はまだまだあります。バスケットボールのキャリアが浅い八村選手は、小さい頃からバスケットボールをやってきた他選手と比較して「まだまだ余白がある」と評価されています。

Hachimura is a blank canvas for the coaching staff
(八村は、コーチ陣にとって「真っ白なキャンバス」だ)

blank canvas:余白、真っ白なキャンバス

   「遅咲き」の八村選手には「変なクセ」がついていない。さらに、比較的身体を酷使していないため「大きなケガを抱えていない」ことが、これから指導にあたるウィザーズのコーチ陣にとって「真っ白なキャンパスのように」可能性に満ちているとか。

   さらに、ウィザーズ首脳陣は、「誰に取材してもルイのことを悪くいう人はいなかった」ことがドラフトで1巡目指名をした理由の一つと語っています。八村選手の人間性と無尽蔵の可能性が、目の肥えた「プロ中のプロ」のハートをつかんだようです。

   それでは、「今週のニュースな英語」は、「selling point」(強み、セールスポイント)を取り上げます。ちなみに、私たちがふだん使っている「セールスポイント」ということばは和製英語だそうです。英語では「selling point」を使うようにしましょう。

The price of products is the selling point
(この商品は、価格がセールスポイントだ)

The quality of products is the selling point
(この商品は、品質がセールスポイントだ)

   「strong」(強い)、「big」(大きな)を加えて強調してみましょう。

The price of products is the strong selling point
(この商品は、価格が強いセールスポイントだ)

The quality of products is the biggest selling point
(この商品は、品質が最大のセールスポイントだ)

   八村選手はすでに、NIKE(ナイキ)が展開する「JORDAN BRAND(ジョーダン ブランド)」とスポンサー契約をするなど、ビジネス面でもスター選手の仲間入りをしています。ニューヒーローのプレーに世界中がエキサイトする日が待ち遠しいですね。(井津川倫子)