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「英語の民間試験」受験生の8割以上が反対だった!「我々は実験台ではない」「情報不足が怖すぎる」

   2020年度から始まる予定だった大学入学共通テストの英語の民間試験について、政府は土壇場で延期を決めたが、受験生(高校生や浪人生)の8割以上が新制度に反対だったことが、学習管理SNS「Studyplus」を運営するスタディプラスの調査でわかった。

   調査は、文部科学省が延期を2019年11月1日前後に行われた。全国4325人の「Studyplus」ユーザー(高校生と浪人生)を対象に「新入試制度をこのまま実施すべきだと思うか」と聞くと、「見直すべき」という声が83.6%に達した。実施すべきは16.4%だった。

  • 受験勉強をする高校生(写真はイメージ)
    受験勉強をする高校生(写真はイメージ)
  • 受験勉強をする高校生(写真はイメージ)

「バイト学生が記述式の問題を採点するなんて」

   「入試制度の変更について不安な点」(複数回答)を聞くと、「情報不足」がトップで70.1%、「過去問題がないこと」(64.5%)、「英語のテストが変わること」(59.4%)と続き、「先生たちも経験していない」「合格不合格の予想がたてづらい」「先輩たちからの情報がない」ことなどが上位に並んだ。試験内容の大幅な変更以上に、入試本番まで約1年となっても詳細が未確定な点に悩んでいる実態が明らかになった。

   受験生たちの生の声を聞くと、こんな意見が多かった。

「学校に情報がなんも入ってきてない。先生たちも『かも』で話す。怖すぎる」(北海道、高校2年生)
「詳細が決まらず発表されない点に憤りを感じる。私たちは実験台ではない」(神奈川県、高校1年生)
「共通IDや外部試験など複雑な仕組みが多く、学力よりも書類の心配をしないといけない」(神奈川県、高校2年生)
「過去の問題がないため、対策が不十分にならないか不安です」(福井県、高校2年生)
「英検等の民間試験を3年生のあいだに受けることになっているが、その内容も不明瞭で、英検の申込期間が延びたりしているのも信用性が疑われると感じる」(東京都、高校2年生)
「記述式の問題は、大学生アルバイトが採点するという話を聞いて、このままだと採点の質や採点者によって点数にバラツキが出ることに不安を感じています」(東京都、高校1年生)
「地域によるハンデ、また各家庭の経済状況が異なると民間試験の受験可能回数なども限られてくるので、受験者全員が平等だとは感じられない」(秋田県、高校1年生)
「記述式の問題というと、おそらくマークよりも対策に時間がかかるので、それが間に合わずにワンランク下の大学を受験することになるかもしれない」(千葉県、高校1年生)

   やはりこのまま実施するのは、とうてい無理だったのだ。