2020年 5月 27日 (水)

【小田切尚登が読む2020年】「最高の10年」のあとはもっと最高! 変えることのできない運命を楽しもう

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   「2020年の世界を予想してほしい」というリクエストを、J-CASTニュース会社ウォッチ編集部からもらった。しかし、正直言って2020年の1年間を予測するのは非常に困難である。特にトランプ米大統領が「何でもあり」で、ハチャメチャな動きで世界情勢を引っ掻き回すようになったことが大きい。中国、中東をはじめ世界の状況は目まぐるしく変わっていて、明日をも知れぬ状況にある。

   そこで今回は長期的にとらえて、2020年からの10年について予想してみようと思う。より長期的な動きであれば、細かい事象をある程度切り捨てつつ歴史の大きな流れをとらえることができるからだ。

  • 2020年はどんな年になるのだろう!?
    2020年はどんな年になるのだろう!?
  • 2020年はどんな年になるのだろう!?

この10年で「人類」はここまで改善した

   2010年からの10年間は人類史上最高の10年だった。もちろん、さまざまな災難に襲われた人がいろいろといることは承知しているが、全体としてみればこの時代に生きてきた我々ほどラッキーな人間はいないであろう......。こう書くと、すぐに反論の声が上がりそうなので、以下データを示していきたい。

   まず何といっても世界経済がよかった。2008年のいわゆるリーマン・ショックの後ということもあるが、中国経済がどんどん成長し、米国も堅調だった。

   株式市場では、米国を代表する株式指数のS&P500は2009年12月31日に1115.10ドルだったのが、10年後の2019年12月27日には3239.91ドルへと上昇した。3年で2.9倍に、年利だと11.2%増えたわけだ。

   米国の失業率は、OECD平均で2010年に8%を超えていたのに最近は5%未満に下がった。

   そして人類全体を俯瞰する時に、特に重要なのは途上国の状況が急激に改善していること。貧困に分類される人々は1820年には世界の人口の90%以上を占めていたが、1990年には40%超にまで下がり、さらに2015年には約10%にまで下がった。

   なかでも中国の改善は目覚ましく、1980年には中国人の84%が貧困に喘いでいたが、今は2%未満である。これにはいわゆるグローバリゼーションによって先進国の富がそれ以外に浸透していったことが大きく貢献している。

   日本を含む先進国で、エネルギー消費が減少に転じたのもうれしいニュースだ。産業が高度化している一方、エネルギー効率が向上しているためだ。産業に使う原材料の総量も減り始めた。地球環境の問題は依然厳しいが、以前は「成長は悪だ」などという話がなされてきたものが、これからは「成長こそが環境によい」という話に変わっていくのではないか。

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ、60歳。
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