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【きょうの格言】賢い女子は知っている! 人生の輪郭は「親離れ」をした後に形作られる(丸ノ内ミカ)

   こんにちは。丸ノ内ミカです。

   折しも、新型コロナウイルスによる肺炎リスクが、日本を含めた世界各国の「国難」となっています。危機管理能力、サバイバル能力の重要さが、あらためてクローズアップされています。私が所属する「丸の内サバイバー女子会」では、激動の時代を生き残る(サバイブしていく)ためのスキルを策定していく女子会ですが、今回のテーマは「親離れ」です。

   親離れをしなかったら、どんなリスクがあるのか?

   たかが親離れ、されど親離れ。「親離れ」というのは、人生を生きていくうえで、意外と重要で、あなどれないスキルなのです。

  • 居心地のよさに、「親離れ」しないとズルズルと……
    居心地のよさに、「親離れ」しないとズルズルと……
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パラサイト生活をエンジョイ! このプランじゃいけません?

   「丸の内サバイバー女子会」メンバーのC恵さんは、大台目前のアラフォーです。70代半ばの両親との3人暮らし。一人っ子で、兄弟姉妹はいません。大手電機メーカーの正社員事務職で、収入は一応安定しています。

   20代の頃は給料をすべて遊びや海外旅行に使えるパラサイト生活が快適で、実家を出ることなど考えもしなかったと言います。

   30代半ばに差し掛かった頃、仲のいい友達が結婚したことで、遊び仲間が減ってきたこともあり、婚活をしてみたりもしましたが、収入には困ってないし、実家の親も口うるさくなかったため、結婚へのモチベーションが上がらず、結局婚活は開店休業状態に。若い頃に比べて飲み会や合コンの頻度は減ってきたものの、自分と似たような境遇のアラフォー女子たちとの女子会は逆に増え、頻度は減ったものの、今でも年に一度は気晴らしに海外ひとり旅をしているそうです。

   サバイバー女子会でC恵さんは、

「大手企業の正社員だし、収入も高くはないけど安定している。両親ともまだ70代で要介護ではないし、仮に親を亡くしたとしても、家は親が50年前に購入した分譲の公団なので持ち家なんです。
住居は確保できている。一人っ子だし、ほかに相続権を争う兄弟もいないから、そこに住み続ければいいと思うし、仕事も定年まで続けるつもりだから、老後に受け取れる公的年金も問題ない。貯金はこれまでは海外旅行に結構使ったけど、これからはもう少し貯めていこうと思ってます。このプランで何がいけないんでしょうか?」

と、言います。

実家を出たいと思ったことは一度もないの?

   ちょっと聞いた限りでは特に問題がなさそうですが、ほかのメンバーからはこんな意見が。

「でもその公団って50年前のでしょ。エレベータとかないんですよね。それに当時の公団って、会社員の夫と専業主婦の妻、2人程度の子どもの世帯を想定したものだから、立地も最寄り駅からバスを使わないといけないとか、フルタイムで通勤する女性を想定した作りになってない。物件としては現代のニーズに合ってないですよね。C恵さんはまだ若いから今はそれでも住めているけど、この先年齢を重ねてきたら、自分のライフスタイルに合ったところに住み替えたくなるんじゃないかな。その時にまとまった住居費用を用意できるかですよね」
「仕事も、正社員とはいっても、最近の大手企業は50歳過ぎたあたりから早期退職推奨をするところも増えてきてるし、この先20年以上の雇用が確保される保証はないですよね。それに事務職だと、言葉はちょっとあれですけど、『所属部署の便利屋さん』みたいになっているケースも多いし。早期退職したとしても、ほかの会社に移れたり、独立して仕事を取ってこれるようなポータブルなスキルとは言えない。その辺はちょっと不安要素ですよね」
「同居のご両親も今はまだ特に何もなくても、この先高齢になるにつれ、健康リスクは高まってきますし。C恵さんは一人っ子だし仕事も続けるなら、介護など何かあった時には、サポートサービスを使えるくらいのお金や情報収集は今からしておいたほうがいいかもしれませんね」

   自分のライフプランには特に問題がないと思っていたC恵さん。メンバーから思わぬシビアなコメントが飛んできて、ちょっと動揺してしまったのか涙目に。

   そこで、私はこんなことをC恵さんに聞いてみました。

「C恵さんは、実家を出たいと思ったことはこれまで一度もないの?」

   C恵さんは意外なことを聞かれて、虚を突かれたような表情をしていましたが、

「ないですね。親と仲が悪かったわけでもないし。出ていきなさいとか、結婚しろとか小言もなかったですし。生活費も入れてないですけど、特に何も言われなかったし。一人暮らししてたら、あんなに頻繁に海外旅行できなかったと思います。食事作りや掃除も自分でしなくても親がやってくれるので、楽で、居心地良くて。一人っ子だったので、親も『C恵が出ていったら淋しい』と言ってたので、お互いに離れる気がなかったというか......」

   親は「出ていくならC恵が結婚するときでいい」と常々言っていたので、特に疑問を感じることもなく、今に至っているのだそうです。

気づいてます? 高齢の親はもはや頼る相手ではない

   「じゃあ、もし20代の頃や、30前後に実家を出てたら、今頃どうなっていたと思う?」と聞いてみたところ、

「そうですねぇ。まずあんなに海外旅行はしなかったかな。一人暮らしはコストが掛かると思うので。結婚はわからないですね。淋しいと思って婚活したかもしれないし、案外一人が快適と思って一人のままでいたかもしれないし。でもお金の使い方は、実家にいることで甘くなっていたかなとは思います。会社は確定拠出型年金制度があるんですけど、私は給料上乗せで先にもらっちゃって、旅行に使ってました。一人暮らしの子たちはその辺もしっかりやってましたね」

メンバーからは、高齢の親はもはや頼る相手ではなくなっているのだから、いつまでも娘気分で同居するのではなく、C恵さんが世帯主くらいの気持ちで、家族の生活設計をしていったほうがいいとのコメントもありました。

   C恵さんは、最後のほうで「親離れのタイミングを逸してしまったかな。確かに若い頃に実家を出て一人でやっていってれば、今頃もっと違った生き方をしていたかもしれないですね」とポツッとつぶやいていました。

   もうおわかりですね。

   「親離れ」というのは、人生を生きていくうえで、意外と重要で、あなどれないスキルなのです。

   適切なタイミングで「親離れ」をしなかったことで、のちのちアナタは後悔することになるかもしれません。自分の収入が得られる年齢になったら、とりあえず一度は物理的にも精神的にも親から離れて生きていってみましょう。それが意外と重要なことで、のちのちのあなたを救うことになることに、20年後30年後に気づくかもしれません。

   「親離れ」したあとに、結婚するもしないも、一人で生きていくもいかないも、あなたの選択です。そこで......

【きょうの格言】
アナタの人生の輪郭は、「親離れ」をした後に形作られていく

   賢いサバイバー女子の皆さんは、その重要さをしっかりと認識していきましょう。(丸ノ内ミカ)