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好調な専修大に明大も利益確保 早大と慶大は英ポンド円で明暗【FX大学対抗戦 第2週】

   2週目に入ったFX大学対抗戦は、前週に専修大学が1歩飛び出したが、早稲田大学、明治大学、慶応義塾大学もじんわりと動き出した。

   好調をキープする専修大は大きく伸ばし、米FRB(米連邦準備制度理事会)に注目した明大もがっちり。早大と慶大は果敢に英ポンド円にチャレンジ。その結果は......。

  • 専修大学、スタートダッシュをかける!
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英国の住宅価格指数「あまり悪くない」と判断(早稲田大学)

    今週(4月27日週)も様子見で取引を見送ろうと思っていたが、さすがに開始早々2週連続取引なしはよろしくないので、1円でもプラスにしようという思いで5月1日(金)に取引した。

   この日に取引した通貨は、英ポンド円。理由は、周知のとおり値動きが比較的激しく超短期トレードがしやすいのと、15時にネーションワイド住宅価格の前月比と前年比が発表されるからである。

   ネーションワイド住宅価格は英大手住宅金融会社であるネーションワイドが毎月発表する住宅価格指数。この指数の動向は景気を映す重要な指標なので、マーケットが注目している。

   自分はSBI証券の口座で取引しているため、経済指標の予想値はもちろんSBIのものを見ているが、この指数の前月の予想はマイナス0.3%、前年比は2.5%であった。ちなみに、前回はそれぞれ0.8%、3.0%だった。

   今回、自分は前月比に着目した。この値がマイナスになることは珍しくないが、今年に入ってからは一度もなかった。さらに先月の値は予想マイナス0.3%大きく超え、0.7%であった。このことから、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を、あまり強く受けていないということが予想できるので、自分は今月も予想より良い結果が出ると予測。買い目線でチャートを眺めた。

   すると14時40分くらいに下落し始めた。これはネーションワイド住宅価格指数の結果が悪くなることを見越した売りが殺到したと予想したが、自分はチャンスだと思い1ポンド=134,4092円で買った。

   発表された指数の結果は、前月比・前年比それぞれ0.8%、3.0%と予想を上回り、一時的に上昇。1ポンド=134.5340円で決済して、54円の利益を得た。

   こう見ると、あまりにもすぐ決済してしまったのでは、と思うかもしれないが、実際この日はこれより上がることはなかった。金曜日で、かつコロナの影響で、週末の重大発表を警戒しての「売り」も少しあるだろう。しかし、もう一つ自分が懸念していたのは、同日17時半発表の英国消費者信用残高である。この値は勉強不足なため、よくわからないのだが、その名前からして今回は下がりそうだなと思ってしまった。

   しっかり調べて取引すればよかったのだが、この時間はサークルのオンライン新人歓迎会があったため、チャートを見る時間がなかった。結果、正確な要因はわからないが、ポンド相場が下落傾向に入ったので、わずかだが54円で利益確定できたのは良かった。

   また、先週見ていたトルコリラは、どんどん過去最安値を更新しているため、値動きが読みづらい。5月21日の政策金利の発表まで静観する。

◆ 児山将のワンポイント・アドバイス
経済指標の数値を予想しての取引、リスクは高いものの自身で分析し確度が高いのであればポジションを保有するのは問題ないでしょう。結果的に、好結果が出て収益をあげることに繋がりました。経済指標は単月ではなく、複数月の動向やその中身、関連経済指標などから分析を行うとより精度が上がります。
さて、この日のポンド円は月末のドル需要の上昇により買われた反動でドル円が下落しポンド円もつれ安に。また、ジョンソン政権が6月末には移行期間の延長拒否(現状2020年末)に出る可能性が非常に高く、週末にかけては下落しやすいのではないでしょうか。

前週からの損益   プラス54円
5月1日現在      1万54円

FRBの政策金利発表に注目! プラスを積み上げ(明治大学)

   今週(2020年4月27日週)の市況をみると、FRB(米連邦準備制度理事会)が日本時間の4月30日3時にFOMC(米連邦市場公開委員会=政策金利決定会合)の結果を公表しました。市場予想はCME(シカゴ・マーカンタイル取引所=金融先物取引所)のFF金利(フェデラル・ファンド金利=米国の代表的な短期金利)先物によると、据え置きが優勢でありましたが、サプライズでマイナス金利を導入したら、ドル円急落もあり得ると考えていました。

参照リンク:CME Group

   たとえば、現在のように低金利政策が施行されていると、お金の借り手が少ない利子で借り受けられるため、より積極的にお金を借りて経済活動を起こしやすくなります。その場合、株式市場は盛況となり、株高・通貨安になりやすい傾向があります。

   しかし、政策金利発表時にはその逆の動きを見せることが多いようです。それが「噂で売って事実で買う」という相場の格言です。

   米国の「政策金利」をめぐるトレードについて、考えてみます。

(1)FF金利先物で市場予想は利下げ、据え置き、利上げのいずれであるかを確認します(利下げ織り込みの場合)。
(2)利下げが予想(噂)されている場合、市場参加者は米ドルを保有したときに得られる金利が減るため、米ドルを手放そうと考えます。そうすると、米ドルの需要が減って価値が下落します。これが「噂で売る」に当たると考えます。時刻は、FRBの政策金利発表の数時間前から2時59分までの動きです。
(3)そして、その「噂で売る」という市場心理は拡大していき、実際の利下げによるドル需要の低下よりも、余分にドルが売られることがほとんどでした。そのため、米政策金利決定会合で予定どおりの利下げが行われた場合に、売られすぎたドルの買い戻しが発生します。これが「事実で買う」に該当し、一時的にドルの価値が急騰します。時刻は3時の値動きです。
(4)米ドルの価値が一時的に上昇しますが、それもいずれ勢いを失います。なぜなら実際の金利は下がっているからです。そして直近の高値まで上昇した後、数時間から半日をかけて欠損した米ドルの価値に応じて下落します。

   なお(3)と(4)のあいだ、3時30分からパウエルFRB議長による会見が行われますので、発言に警戒しましょう(参照リンク

   FX大学対抗戦のスタートから、この2週間の取引は、他大学の結果をみてから動きたいと考えていたため、取引数量(ロット数)を口座の10分の1以下に抑え、決済を早めにしていました。来週以降は、取引数量を増やして積極的に利益を増やすことを目指します。

4月27日(月)
1米ドル=107.3546円、107.3605円、107.3669円で合計600通貨を買い。3つのポジションを、107.3345円で一斉に決済。マイナス14円。
さらに、1米ドル=107.0967円(230通貨)で買い。107.1529円で一括決済。プラス12円。

4月30日(木)
1米ドル=106.6971円(250通貨)で売り。106.6703円で一括決済して6円のプラス。さらに、106.6227円(250通貨)で売り。106.6149円で決済して、1円のプラス。

◆ 児山将のワンポイント・アドバイス
4月のFOMCでは、事前に利下げや市場への資金供給を行っていたため、現状維持となりました。池田さんは、投資で大事な噂=思惑を見ての取引のようです。FXを始めた経験が浅い中で、FRB議長の会見や債券利回りをチェックする人はあまりおらず、視野の広さと情報収集力の高さが評価できます。
直近では、ワシントン・ポストが「米国は中国が保有している米国債務の一部を帳消しにすることを検討」と報じられた(クドロー国家経済会議議長は否定)こともあり、若干ドル売りに傾いています。帳消しにするとデフォルトになるため、可能性は非常に低いと思われますが、このあたりのトランプ大統領の発言や思惑がドル円相場を動かす材料となりそうです。

前週からの損益   プラス6円
5月1日現在     1万19円

英ポンドの躓き、米ドルで回復狙う(慶応義塾大学)

4月28日(火曜)
英ポンド円取引で、先週の土曜に引いたチャートではかなり大きく見すぎていたため、さらに小さい15分足で線引きして図1のように現在見ており、先週と変わらず今のところ上目線である。オレンジチャネルと青チャネルは同じ幅と角度のものである。

図 1:2020年4月28日18時頃の英ポンド円のチャート図
図 1:2020年4月28日18時頃の英ポンド円のチャート図

   夕方18時ごろに1000通貨で、1ポンド=133.321円で買いポジションをもったが、若干買うのが早かった気がしており、一たん損切りしてチャンスを待つか悩んでいるが、シナリオが崩れるまで、このままホールドすることに決めた。

4月29日(水曜)
結果的には、反省点が数多く明らかになった日であった。
ポンド円は続落したため、1ポンド=132.916円で損切りし、その後推移を見守った。その後、図2のように引いていた細い青チャネルに引っ掛けるようにして斜め「三尊」(ヘッドアンドショルダー)を形成していた。
細かい線引きでは、下の層に確実に入っていたため、大きく見るのと細かく見るのを両立させていきたいと感じた。

図 2:4月29日の英ポンド円のチャート図
図 2:4月29日の英ポンド円のチャート図

4月30日(木曜)
線引き練習としてドル円のテクニカル分析を行っていたところ、ちょうど細いオレンジチャネルに引っ掛けていたため、買いのチャンスだと思い反射的に1米ドル=106.693円でポジションを取った。現時点での目標は斜め青ラインだが、もし明確に下へ行くような動きがあれば損切りする。また今後引き直して利益確定目標を変更する可能性はある。

図 3:4月30日の米ドル円のチャート図(15分足)
図 3:4月30日の米ドル円のチャート図(15分足)

   その後、観察を続けたところ、上に大きく伸びたがその後元の位置付近まで戻ってきてしまっていた。しかし、いまだにマイナスに転じてはいないため来週に持ち越すことにした。週を跨ぐのは少し怖いが、ラインを元に判断したいため持ち越すことにした。

◆ 児山将のワンポイント・アドバイス ラインを引いたテクニカル分析で取引を行うビリオネアさん。英ポンド円のエントリーのタイミングは、これまで何度もトライして越えられなかった1ポンド=133円半ばへ向けての上昇であり、良かったのではないでしょうか。すぐに売りに押されてしまったものの、その後132円を割り込む場面もあり、損切りも適切だったと思います。 ドル円も良いところで拾い、その後は月末のドル需要もあり107円半ばまでの上昇を見せました。利益確定を行わなかったところを見ると、少し長めに保有するポジションでしょうか? 5月1日の上昇の後から三角保ち合いを形成しているため、ここから上抜けた場合107円台を迎える展開となりそうです。

前週からの損益  マイナス405円
5月1日現在        9595円

月末のポジションは危険かも?(専修大学)

   じつは、花粉症の薬の副作用の影響で不思議ちゃん、ほとんど寝てました。ニュース番組つけると、どこも新型コロナウイルスの話で、花粉症のことなど一切放送されないけど、今年のヒノキ花粉は酷すぎると、私は思います。みなさんも気をつけてください。

   それでは、今週のトレードについて、話していきたいと思います。今週は外国為替相場が大きく動く経済指標発表がふたつありました。

   まずは、4月27日(月)に日銀金融政策決定会合がありました。市場がもみ合いの状態で迎えた日銀金融政策決定会合では、2020年度の実質GDP(国内総生産)見通しを下方修正したことなどを受け、ドル円は107.30円まで下落。そのあとの黒田東彦日銀総裁の記者会見中にも米ドルが売られ続け、一時107.05円まで下押ししました。その後も戻りは鈍く推移しました。108円まで上昇すると読んで買っていたので、107.22円のところで損切りをしました。

   また、29日(水)は朝からショート(「売り」のポジション)で入り、FOMC(米連邦公開市場委員会)の声明を待ちました。2つの通貨を同時に持つのはあまり良くないと耳にしたことがありますが、そんなのお構いなしに、きょうはドル円とユーロ円を持つことにしました。

   発表の時間になったら、いきなり急上昇するので、かなり焦りました。動揺しすぎて、いつの間にか、きょうのトレードを終えてました。午前中からポジションを持っていたことが功を挙げて、急上昇した中で焦って約定してもプラスで終わることができました。

   月末にポジション持つべきではないってことを改めて理解する、いい経験となったと思っています。

   ゴールデンウィークは、新型コロナウイルスの影響でFXの顧客が増えると、ニュースで聞いたので不安を覚えています。あらかじめ経済指標に対する重要度をつけて対策していき、短期取引をしていきたいと思います。

◆ 児山将のワンポイント・アドバイス
為替市場は大きな値動きがなく推移しています。そんななか、中国の新型コロナウイルスに関する情報問題で米国との対立が表面化し、市場は緩やかにリスクオフへ。円高・ドル高へ動いています。
一方で、海外の感染者数は落ち着きを見せつつあり、一部の国では経済活動の再開に向かっています。また原油先物価格も20ドルを越え堅調に戻りを見せています。このあたりの動向をチェックしながら、今後のシナリオを考えてみてはいかがでしょうか。
また口座資金と比較して、ポジションサイズが大きくなっているため、資金管理の腕の見せどころです。

前週からの損益   プラス2679円
5月1日現在      1万3785円

(2000通貨または3000通貨で取引)