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【コロナに勝つ! ニッポンの会社】コロナ対策も変化する! 人出に応じて価格変動する広告、夏場のマスクに代わるシールド

   2020年1月、中国で感染が広がった新型コロナウイルスが日本に「上陸」。猛威を振るったのが3~4月。外出自粛や休業要請、政府は緊急事態宣言を発した。「第2波」が懸念されており、予断を許さないものの、少しずつ街に人が戻ってきた。季節が夏に向かうなか、企業のコロナ対策も状況に応じて「変化」している。

  • にぎわいは、いつ戻る?(東京・銀座4丁目交差点)
    にぎわいは、いつ戻る?(東京・銀座4丁目交差点)
  • にぎわいは、いつ戻る?(東京・銀座4丁目交差点)

銀座の広告、人出に応じて「価格変動」が新しい

●人出の減少率をGPSデータで割り出す

銀座4丁目交差点(左)近くにオープン予定の「Zero Base」予想図
銀座4丁目交差点(左)近くにオープン予定の「Zero Base」予想図

   屋外・交通広告を手がける株式会社ケシオン(大阪市)は、新型コロナウイルスによる外出自粛などの影響で、地域の人出の見通しが立てにくいことから、広告の掲出料金に、人出の減少率に応じて価格を割り引く、価格変動制を導入した。2020年6月3日の発表。人出の減少率はGPSデータを活用し割り出す。

   広告の掲出は、東京・銀座4丁目交差点近くで、2020年7月から「Zero Base Labs GINZA 4-chome crossing 」と名付けたプロモーション専用スペースの運営を計画している。

   ケシオンは、EC市場の拡大で、実店舗のショーウインドウ化が進むと予測。6年前から、プロモーション用のポップアップスペース「Zero Base」を運営する事業を始めた。

   今回の銀座の施設は3件目だったが、稼働を前にして新型コロナウイルスの感染拡大が発生。緊急事態宣言で街からは人影が途絶え、宣言解除後の回復程度も不明なことから、広告主らからプロモーションの計画が立てづらいという声が寄せられていた。

   その声を受けて、同社では価格変動制による広告枠の販売を決定。GPSデータを活用し、プロモーション期間中の「周辺来街者数」により価格を決めるシステムを開発した。7~8月限定で実施する。

●夏の工場・工事現場に、熱中症を抑える「マウスシールド」

ヘルメット装着用のマウスシールド
ヘルメット装着用のマウスシールド

   新型コロナウイルス対策で定着したマスクやフェイスシールド。これから夏に向かって、着用の継続を不安視する声があがっている。ベビーカーや自転車のほか、コロナ禍では個人防護具も開発している岐阜市の株式会社キュリオは、夏場の工場や作業現場でヘルメットに装着して飛沫拡散を防止する「マウスシールド」を開発。6月5日に、自社のECサイトで販売を開始した。

   キュリオは、新型コロナウイルスの感染が拡大していた時期に、医療現場でのフェイスシールド不足を受け、地元企業と連携して量産態勢を整え、病院などの医療機関をはじめ、オフィスや店舗などにも製品の提供・販売を進めてきた。

   梅雨の季節に変わり、高温・多湿になりがちでマスクの装着が厳しい工場や工事現場でも使えるフェイスシールドを求める声が寄せられるようになった。

   そんな要請に応えて開発したのが、樹脂製の新製品「マウスシールド」。工場・作業現場での飛沫拡散防止に特化したヘルメット装着型で、両端に開いたスリットにあごひもに通して簡単に装着できる。 通常のマスクのように口周りに密着しないため、息苦しさや蒸れを感じにくく、夏場の高温多湿の長時間に渡る作業でも熱中症などの発生を抑止する効果を期待できるという。

●群衆の程度や密集度を計測できるAIソリューション

 画像を使って「密集度」を計測
画像を使って「密集度」を計測

   ディープラーニングに特化したテクノロジー企業の株式会社Elix(東京都千代田区)は、新型コロナウイルスの対策の一環として、カメラ映像をリアルタイムで解析。カメラに映る人物の数や位置を検知して、群衆の程度や密集度合を計測できるAIソリューションを開発し、導入を希望する法人や自治体向けに試験提供を始めた。6月4日の発表。

   新たに開発されたソリューションは、カメラ映像内の人物の数や位置情報を把握し、群衆の検知や人物同士の密集度の推定値を、リアルタイムでわかるようにした。また、必要に応じてマスク有無の検知など、導入先の要望に応じた機能を追加することもできる。

   同社では、ショッピングモールなどの商業施設やイベント会場、公共施設、またオフィスビルや工場といったワークスペースなど、人が多く集まり密集が起こりやすい場での活用を想定して開発したという。

   Elixは、ディープラーニングに特化したテクノロジー企業として、大手企業の研究開発部門が主なクライアント。創業時(2016年11月)からコンピュータービジョン(画像認識)領域に力を注いでおり、ディープラーニングを用いた自動運転・ADAS(先進運転支援システム)向けのモデル開発などで数多くの実績を持っている。