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やったぜ慶大!英ポンドで1000円超のプラス 早大は韓国ウォンでジックリ待機【FX大学対抗戦 第8週】

   学生トレーダーは、ぼちぼち試験シーズンに入ってくる。パソコンのチャート図を横目に見ながらも、きっちり試験準備に取りかかる。とはいえ、相場が気になる早稲田大学は韓国ウォンで「勝負」。乱高下するウォン円相場に、「ここで利益を確定するつもりはない」と強気の越週。一方、急浮上したのが「コツコツ作戦」の慶応義塾大学。英ポンド円トレードが炸裂して大きな利益を確保した。

   明治大学は今週もじっくり構える。追撃態勢を立て直そうと、自身の考えを整理するかのように取引をチェックした。専修大学は、6月10日に発表された米消費者物価指数をとらえて、「うまくいった」というが、結果は......。

  • 英ポンドで慶応大学がウハウハ!
    英ポンドで慶応大学がウハウハ!
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ウォンは保有「いい感じになるまで」待つ(早稲田大学)

   そろそろ中間試験が近づいてきて、レポートが溜まってきた。ずうっと家にいるだけなのに、謎の余裕で後回しにしているが、そろそろ手をつけないとマズくなってきた。とはいえ、ここは1度レポートのことは忘れて今週の取引を見ていこう。

   そうはいうものの、今週は取引をしていない。米ニューヨーク株式市場のダウ平均株価に引きずられて、米ドル円相場がちょい暴落して値動きがとても読みづらかったからだ。

   しっかり予想どおりドル円が1ドル=110円付近まで伸びたのだが、それ以降は予想を超えて下がるとは思わなかった。

   木曜・金曜日(6月11日12日)あたりから、緩やかに回復してきているが、ここでエントリーすると週末をまたぐことになりそうだったので、それは避けた。とりあえず、また1ドル=108円までは戻りそうなので、週明けの動きを見ていきたい。

   そして、ずうっともったいぶっていたコリアンウォンだが、こちらは先週に1円=8795.8ウォンの時に400通貨で買い注文を入れていた。こちらのエントリー理由は単純で、自分の設定していたレジスタンスライン(上値抵抗線。相場がその水準よりも上昇しないと思われる水準のこと)が8.79ウォンの水準を超えたからである。

   先週のドル円相場と似たように動き、一時は含み益が200円ほどまであったが、今週もまたドル円に近しい動きをしたので、含み益が30円まで下がってしまった。

   しかし、こちらは再び上昇すると見ているので、ここで利益を確定するつもりはない。

   1週間以上ポジションを持つのは初めてだが、いい感じになるまで売らないようにするつもりだ。

   そして来週の取引だが、正直テスト期間なのでチャートに張りつくことはできない。しかし、大事な局面なので米ドルとウォンだけは、チラチラとチャートを見つつ、買い目線でできれば少しでも取引したいと思っている。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
「予想を超える」というコメントがありましたが、この感覚はかなり大事です。相場は予想外の連続で、それが起きた時に大きく変動します。
たとえば、コロナショックで日経平均株価は2万4000円から1万6000円まで下落しました。しかし、6月には2万3000円まで回復し、下げ幅をほぼ埋めることとなりました。日経平均株価が2万円を超えたあたりから、多くの投資家が「これ以上は上昇するワケがない」と予想していました。そして「売り」に転じた投資家も多くいました。しかし、大規模な金融緩和の影響か、株価は上昇を続けて、外国人投資家も高値で買いに転じ、売り手も慌てて買い戻す事態になりました。その結果、日経平均株価はわずか3週間で3000円も上昇することになったのです。
多くの投資家の予想外の値動きが起きたために、早く大きく動いた典型的な相場でした。これ以上上がらないと思った時は、大相場の始まりとに過ぎない可能性も視野に入れてみると相場が楽しくなりますよ。

前週からの損益    プラス・マイナスゼロ
6月12日現在         1万1007円

FX取引で「ナンピン」は要注意!(明治大学)

   こんにちは、明治大学Breakouts!の池田です。今週もトレードをしておりませんが、先週に続いて投資哲学を語りたいと思います。FX対抗戦で現在最下位の私ではありますが......。

《ナンピンをしてはいけない》
   みなさんは、「ナンピン」をご存じでしょうか。購入した金融商品の価値が低下したときに追加で購入することで、損益分岐点を押し下げる行為のことをいいます。
   たとえば110円で1株買って、その価値が100円に下がったときにもう一株買います。そうするとあなたの株の平均取得単価が105円になるため、その株が105円に戻った時点でマイナスが消えるということです。
   この手法は証券マンも顧客に対してススメることが多いようで、実際かなり勝率は高いのですが、FXのようなレバレッジ取引でナンピンはかえって自分の首を絞めてしまうことがあります。

《レバレッジ取引》
   レバレッジ取引のうち2ケタ以上のレバレッジをかける取引を、私は「ハイレバレッジ投資」として危険なものとして扱っております。それにも関わらず、なぜFX大学対抗戦に参加しているかというと、名目レバレッジと実際にかかっているレバレッジ(実効レバレッジ)に違いがあり、私は実効レバレッジをコントロールしてレバレッジを10倍に抑えられるからです。
   名目レバレッジは、口座に自動でかかるレバレッジで、FXなら自動で25倍にかかっています。しかし、実効レバレッジが25倍になるのは、口座余力すべてを投じて取引をしているときだけであって、たとえば名目レバレッジ25倍で口座余力の半分を入れると、実効レバレッジは10倍になります。
   その場合ドル円の取引では、建値(買ったり売ったりした値段)から6円ほど逆行しないとロスカットされないので、私はこれが適正値だと考えています。
   なぜなら、2018年1月3日のフラッシュクラッシュでの暴落が5円程度だったので、自分の中で「フラッシュクラッシュ耐久値」というイメージを持っているからです。

《結論》
   名目レバレッジは必ず25倍ですが、実効レバレッジは自身の口座余力に対して何%投資したかによって変わるので、口座余力を減らすと実効レバレッジは上昇してロスカットされるまでの幅が狭まるので、自身がマイナスを抱えているときに追加購入、すなわちナンピンをするのは愚策であるといえます。
ナンピンは使うとしても現物取引(レバレッジ取引でないとき)のみ使いましょう。

※ 証拠金50万円の場合のロスカットの例は、下記のとおり(1米ドル=100円を想定)。
1万通貨 → 実効レバレッジ2倍 → 50円逆行するとロスカット。
5万通貨 → 実効レバレッジ10倍 → 6円逆行するとロスカット。
証拠金が5万円の場合は、それぞれ1000通貨と5000通貨として考える。
自身の取引手法に合わせて、適正な実効レバレッジを調整すること。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
計画的なナンピンは良いと思うのですが、たいていの場合は、勝ったタイミングが失敗したにもかかわらず、損切りすることができずにナンピンを行うということが多いようです。そうなると、相場に振り回されているのと同じになり、池田さんの言うとおりに自身の首を絞める結果となってしまいます。
また、レバレッジに対する考え方はとても大事です。国内FXは25倍ですが、口座資金に対してどれだけポジションを保有するかで実質レバレッジは大きく変わります。投資では資金管理が重要なため、自分の取引スタイルに応じた適切なレバレッジを知ることがパフォーマンスの向上につながります。
筆者の知る上手な投資家を見ると、短期売買を好み、損切りが狭い人はレバレッジが高く、逆にポジションの保有期間が長いほどレバレッジが下がる傾向にあります。

前週からの損益  プラス・マイナスゼロ
6月12日現在         9825円

英ポンドの下落に飛び乗ったら......(慶応義塾大学)

6月8日(月)

   英ポンド円相場は、先週の最後にアップしていた線引き画像が朝起きて確認すると図1のように反発していたため、寝坊したことを悔やみながらも1ポンド=139.244円で下落に飛び乗るように1000通貨で「売り」エントリーした。

(図1)6月8日11時ごろのポンド円相場15分足
(図1)6月8日11時ごろのポンド円相場15分足

   その後、図2のように引いていたライン近くまで運よく一気に落ちてくれたので、1ポンド=138.345円で決済した。プラス899円。

(図2)6月8日19時ごろのポンド円相場15分足
(図2)6月8日19時ごろのポンド円相場15分足

6月10日(水)

   オレンジのトレンドラインを割り込んで来ていたため、反発狙いの「買い」で、1ポンド=137.023円で1000通貨をエントリーした(緑色の矢印)。その後、下の図3のように200EMA(指数平滑移動平均=過去の価格よりも直近の価格に比重を置いて計算した平均値)にタッチしたので、1ポンド=137.287円で決済した(黄色の矢印)。プラス264円。

   今回、エントリーした後にさらに下に割り込んで来ていたため、あまり良いエントリー位置ではなかった。一たん逆行するだけでも精神的には少しつらかったので、こういった場面を減らしていきたいがやはり難しく、なかなか苦戦中である。

(図3)6月10日21時ごろのポンド円相場15分足
(図3)6月10日21時ごろのポンド円相場15分足

6月13日(土)

   今週の取引を振り返ると、先週、先々週のトレードの反省からコツコツ利益を伸ばすことができた。しかし、2回目のエントリーは一たん逆へ行ってしまっているため、まだまだエントリーに関しても甘い部分が見えた。土日に検証して、また来週に備えたい。

   来週のポンド円は上目線であるが、図4の緑チャネルの底辺に引っ掛けて下へ行く動きもあり得るので、油断せず取引していきたい。

(図4)6月13日の市場閉場後のポンド円15分足
(図4)6月13日の市場閉場後のポンド円15分足
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
英ポンドは、これまでと状況が変わってきました。6月12日夜に英国政府はEU離脱の移行期間を延長しないことを正式に表明。これまでリスクオンと延期期待で上昇していた英ポンドが弱含む材料になってきました。
今後、6月29日から7月27日まで5回の通商交渉を開始することになります。また、英国中央銀行による量的緩和拡大(予想は1000億ポンド規模の拡大)も見込まれていることから、しばらく英ポンドの上値は重くなるのかもしれません。
まずは、6月18日の英国中銀の発表に注目です。

前週からの損益  プラス1163円
6月12日現在    1万Ⅰ342円

パソコンの画面の前に貼り付きたい!(専修大学)

   最近、久々にバイトをしようかなと考え始めました。やはり、投資だけではまだ技術が備わってない不思議ちゃんには難しいのです。

   それでどういうバイトをしたいか考えたのですが、これからの就活を考えると予定が組みやすい、さらに扶養家族内で勤務可能なバイトがいいかなと考えました。ですが、そんな条件に当てはまる会社があまりないのです。就活前のバイトで、戸惑っています。先輩方の中にはバイトと就活を両立させていた人がいると思うと、凄いなと身に染みて感じました。

   さて、今週(6月8日週)の取引なのですが、先週思ったとおりマイナスでした。今回は唯一うまく行った日のことを取り上げたいと思います。

   それは6月10日(水)に発表された米消費者物価指数です。予測しやすかったので、うまくいったのでしょう。なぜ予測しやすかったのか。それは1週間前の6月3日(水)に米ADP雇用者数が発表されたのですが、その時が予想を上回る結果に市場は急上昇したのは記憶に新しいところ。その影響を受け、また予想を上回る結果を出すのではないかという期待から、発表される直前まで市場は上昇しました。そして、発表直前に不安から下落しました。

   来週は米国の小売売上高という、とても重要な経済指標が発表されます。この経済指標が発表される同日に、英国の雇用統計も発表されます。この日はずうっとパソコンの画面の前にいたいです。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
消費者物価指数(CPI)で取引を行ったということですが、今後2年は利上げを行わないとしている米国の動向を知るうえで物価動向は非常に重要です。なにせ、FRB(米連邦準備制度理事会)の役割は物価と雇用安定ですからね。
さて、重要なことは米国のインフレターゲットは個人消費支出(PCE)デフレータであり、日本や多くの国が対象としているCPIではありません。しかし、消費者物価指数の発表時期は対象月の翌月15日前後と、PCEデフレータに比べて2週間程度早く変化の傾向が似ているため、物価関連指標の中での 市場の注目度は 最も高いと言えます。
なお、計測期間中の代替品の扱いの違いなどから、PCEデフレータに比べると水準は若干高く出ることが多くなっています。たとえば、1年を通して平気で値段が4倍になったりするキャベツや白菜では、CPIはキャベツの値段の変化をそのまま計上するのに対して、PCEデフレータは消費傾向の変化も加味して算出されます。そのため、CPIのほうがPCEデフレータよりも変化が起きやすい指標なのです。
経済指標発表は瞬間的な値動きがありますが、その中身や構成、集計方法を知ることで、より取引の判断がしやすくなるかと思います。

前週からの損益      マイナス161円
6月12日現在        1万 3536円