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そうだったのか! 効果的な色使いでプレゼン力をアップさせる資料づくり(入澤有希子)

   今回は、「色」から見たプレゼン資料の作り方をお伝えします。

   色の選び方や使い方に苦手意識のある方は多いようです。日ごろ仕事で色を使う方でもない限り、あまり習うことのない分野かもしれません。「昔、色の勉強をしてみたけど教科書が難しくて挫折した......」という声を、私はよく聞いています。

   実際にプレゼン資料のお悩みについてリサーチしたところ、次のような声が聞こえてきました。

  • ワインが「テーマ」なのにオレンジ色のプレゼン資料ってどう?
    ワインが「テーマ」なのにオレンジ色のプレゼン資料ってどう?
  • ワインが「テーマ」なのにオレンジ色のプレゼン資料ってどう?

ポイントはたったの3つ!

「統一感を出したくて既存のフォーマットを使用しますが、色選びは悩みます」
「パワポでの資料作りはあまり得意ではなくて、1ページの中で何色まで使うと見栄えがいいのか気になります」
「グラフなどの図を使う時に、色で困っています」
「私はデザイナーじゃないし......」

   でも、大丈夫! 難しい知識がなくても、簡単なルールをいくつか覚えてしまえば、プレゼン資料の色使いで悩むことは少なくなります。

   ポイントは、たったの3つです。

「テーマに合った色選び」
「使っていいのは2色まで」
「コントラストを意識する」

   この3つを押さえておけば、見やすくて、内容が伝わりやすい資料が出来上がります。

◆ テーマに合った色選び
プレゼンするということは、何かしらテーマがあるはずです。テーマが「エコ」なら、グリーン。テーマが「美容」なら、ピンク。このように、誰もが連想しやすい色を使うことが大事です=下図「色と連想」を参照
たとえば、「日本ワインの販売」がテーマなのに、オレンジ色ばかり使うなどは違和感があると思います。
ちなみに、「信頼」「誠実」「清潔感」などを表現するときは、ネイビーや青で表現することができます。ビジネスシーンではよく使われる色にあたるので、青系の色の使い方をマスターしておくと便利です。

色と連想の図
色と連想の図

メインカラーとアクセントカラーを決める

◆ 使って良いのは2色まで
テーマからが決まったら、メインカラーとアクセントカラーを決めておきます。メインカラーとは、資料の中でよく使う色のこと。アクセントカラーとは、資料の中で強調したい時だけ使う色です。 「それならアクセントカラーは赤でいいだろう」という考えは、確かにアリ。ですが、赤ではない色を使うことで、資料の見栄えがより良くなる可能性があります。
メインカラーは、テーマカラーから選ぶといいでしょう。今回は「日本ワインの販売」で考えていきたいと思います。ワインで連想する色といえば「赤」と「白」もそうですが、「赤」は多用すると強すぎて見にくくなります。また、「白」は背景の色なので、使いにくいです。
ということで、ぶどうの色で考えて「紫」と「黄緑」を選びたいと思います=下図参照

ワイン生産量の図
ワイン生産量の図

   どちらの色が強調にふさわしいかを考えて、メインカラーは黄緑、アクセントカラーは紫に決めました。ここまで決まれば、色を選ぶ作業は、ほぼおしまい。あとは、見やすさを考えます。

◆ コントラストを意識する
注意したいのは、「コントラスト」です。白い紙に黄色い文字が読みづらいように、読みづらい色の関係になってないかを注意します。また、アクセントカラーがアクセントになっているかも注意しましょう。たとえば、上記で選んだメインカラーとアクセントカラーの関係が、同系色だと強調が伝わりません。なるべく反対の関係にある色を選びたいものです。

   そして、最後にとっておきの奥義をお伝えします。メインカラーを「グレー」、アクセントカラーを「テーマにふさわしい色」にしてみます。

グレーがオススメ!(同系色と反対色の図)
グレーがオススメ!(同系色と反対色の図)

   使いたい色があるけど、合わせる色を決めるのが難しい(正直、面倒だ!)という方にはオススメの方法です。

「意外と簡単だな」
「色の組み合わせ考えるの楽しいかも」

と思った方は、色の勉強をしてみるといいかもしれません。じつは、色はセンスではなく理論で考えることができるんですよ。(入澤有希子)