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【株と為替 今週のねらい目】菅「アベノミクス継承」内閣誕生へ どうなる株価?(9月14日~18日)

   2020年9月14日、自民党の次期総裁に菅義偉官房長官が選出され、安倍政権を踏襲する「菅内閣」が誕生する見通しとなった。日本銀行による大規模な金融緩和策や、機動的な財政出動などの経済支援策は継続されるとの思惑から、リスク回避的な円買いは後退する見通し。焦点は、菅内閣の顔ぶれと衆院の解散総選挙のタイミングに移っている。

   米国では、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価が新型コロナウイルス感染症と経済対策への期待感が後退しているほか、米中対立の先鋭化、原油市況の下落などを材料が警戒されている。9月15~16日にFOMC(米連邦公開市場委員会)の会合が開催され、追加緩和につながる議論が活発となる可能性がある。

   どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 「菅内閣」誕生へ! 注目される組閣
    「菅内閣」誕生へ! 注目される組閣
  • 「菅内閣」誕生へ! 注目される組閣

東京株式市場 東京もGoTo 経済回復に期待

日経平均株価予想レンジ:2万3000円~2万3800円

   2020年9月11日(金)終値 2万3406円49銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、強含みもみ合いとなりそうだ。

   前週の日経平均株価は、2週連続で上昇した。全般はもみあい相場が続いたが、日本銀行のETF(上場投資信託)買いが入ったことや米国株の反発も好感した。英アストラゼネカが新型コロナウイルスのワクチン開発での治験を一時中断すると伝わり、市場のセンチメントが悪化する局面もあったが、同社が治験を再開するとの発表したことで、センチメントが改善した。

   今週の日経平均株価は、強含みもみ合いとなりそうだ。市場の最大の関心事は14日の自民党総裁選。菅義偉官房長官が優位の情勢から、安倍政権の政策が継続される点では政局の混乱はないと見られているが、16日からの臨時国会と組閣人事の行方には注目が集まっている。

   東京都が新型コロナウイルス感染状況の警戒レベルを引き下げ、GoToトラベルキャンペーンの対象となったことなどで経済回復への期待も出ているが、新型コロナウイルスの感染拡大が大きく減少しているわけでもなく、また米中の貿易問題での対立、原油価格の下落など日経平均株価の上値を抑える材料も多い。

東京外国為替市場 米FOMC、追加緩和を検討か?

ドル・円予想レンジ:1ドル=1ドル=105円00銭~107円50銭

   2020年9月11日(金)終値 1ドル=106円14銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、レンジ内でもみ合いか。

   前週のドル円相場は、ドルが伸び悩んだ。ドルは一時1ドル=105円後半まで下落したが、その後は1ドル=106円前半に上昇し、もみ合った。米中の貿易問題での対立激化や米国の長期金利の先高観の後退で、ドルの上値が重い展開が続いた。

   今週のドル円相場は、レンジ内でのもみ合いが予想される。14日の自民党総裁選は菅義偉官房長官が優位でリスク回避のドル売り材料にはならないものの、早期の衆院解散と総選挙の可能性が高まれば、リスク回避のドル売り・円買いにつながる可能性がある。

   さらに、15~16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加緩和の検討が行われる可能性が高まっていることで、米国の長期金利に対する先高観が一段と後退する可能性は高く、ドル売り圧力が強まりそうだ。このため、ドル円相場はどちらかと言えば円高に振れる可能性が高まっている。

   経済指標は、国内では16日に日本銀行の金融政策決定会合(17日まで)、8月の貿易統計、17日に日銀の黒田東彦総裁会見、18日に8月の全国消費者物価指数、8月の訪日外客数などが予定されている。

   海外では、15日にFOMC(米連邦公開市場委員会、16日まで)、米国の8月の鉱工業生産と設備稼働率、中国の8月の工業生産と小売売上高、16日にパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長会見、米国の8月小売売上高、17日に米国の8月住宅着工件数、18日に米国の4~6月期経常収支などが予定されている。

(鷲尾香一)