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50代に向けて、あきらめることも必要なのかな?【ひろ子ママの教訓 その24】

   きょうは、40代後半のOさんとTさんがいらっしゃっています。成功とか、あきらめるタイミングとか、興味深いキーワードが飛び交っています。テーマは、あきらめるタイミングについてです。

「あと数年で50代になりますが、先日50代半ばの上司と話をしていた中で『この歳になったら、あきらめる勇気も必要だよ。できないことにしがみついてもいいことはない』って言われたんですよね。できないこと、あきらめるって何でしょうね。人生100年時代、あと半分、まだあきらめたくないんだよな......」

と話すOさん。

   そんなOさんに、数年前に7年かけて一級建築士の資格を取得したTさんがご自身の体験談を織り交ぜながら、話しています。

  • あきらめていいこと、いけないこと……
    あきらめていいこと、いけないこと……
  • あきらめていいこと、いけないこと……

続けることに自分の情熱があるかどうか

「成功とは成功するまでやり続けることで、失敗とは成功するまでやり続けないことだ」

   一度は、耳にしたことはあるとは思いますが、パナソニック創業者の松下幸之助さんの言葉です。この言葉どおり、成功と失敗は紙一重だと思います。Tさんは、どうして7年もかけて一級建築士に挑戦することができたのですか?7年って結構長い年数だと思うのですが......。

「数年間、挑戦していても、そこであきらめたらゼロなんですよ。数年間、一生懸命頑張っていたことがゼロになる。あきらめずに続けたからこそ今があるわけですが、私も勉強を続けている中で、まわりから『受からないから、そろそろあきらめたら、辞めたら』と言われたことも何度もありました。そう言って来るのは、資格を持っていない上司ばかりだったんですよね。逆に『受かるからもう少し頑張れ』って声をかけてくれたのは、資格を持っている人でした。最後は、『絶対受かってやる』という意地で受かりましたよ。」(Tさん)

   Tさんの中でやり続けることができたのは、「意地」という言葉もあったように、資格取得に向けて「情熱」があったかどうかがポイントとなったようですね。Tさんの仕事において、自分の信用力を高めるという目的と、そこに対しての情熱が合わさったから、資格取得につながったんだと思います。

   続けていることに対して、「無理なんじゃないか、あきらめたほうがいいのかな」と思った時は、自分が目標達成したい目的は何か? そこに対する情熱、自分の熱量があるのかを問いかけてみてください。

   たとえば、資格取得の目的が資格手当てのためで、そこに情熱が生まれなければ、他の方法で手当て分をアップさせたほうが早いのかもしれません。続けたことをあきらめる前に、一度考えてみましょう。「神様は乗り越えられる試練しか与えない」とも言いますが、年齢を理由に「できない」という限界を自分で作らないようにしたいものですね。

とは言え、やっぱりあきらめが肝心?

   また、生きているといろんな方と接する機会があると思いますが、やったことがない人の批判は聞かなくてもいいと思います。今回のTさんは、まわりの「辞めとけ」という声に惑わされることがなく、やり切ることができましたが、おもしろいことに転職した今でもご縁が続いているのは「受かるから頑張れ」と声をかけてくれた方だけだそうです。やっぱり同じ熱量がある人同士が集まるものですね。

   成功と失敗は紙一重なので、本当にあきらめる判断をするのって難しいと思います。たとえば、海外留学をしようと思っていたけれどコロナ禍で、海外に行けないとなると、今は一たん、あきらめるしかないと思います。時期を改めるとしても、今、できないことに執着していても可能性が高まることはありません。「できないこと」「自分で変えられないこと」に対しては、執着を捨てること、あきらめる勇気が必要だと言えそうです。

   50代に近づくと、判断を迫られることが増えると思います。何かをあきらめた先に新しいことがある。冒頭にあったOさんの上司の言葉は、今までの会社の中でのこれまでの役割を手放し、競争から離れ、そんな時に感じた寂しさを感じながらも、新しい役割を受け入れた時の言葉かもしれませんね。

   Oさんも自分の人生をあきらめないために、「本当にやりたいこと」を選択する時かもしれませんね。(ひろ子ママ)