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早期退職の募集企業が70社超え コロナ禍で10年ぶりの最水準【馬医金満のマネー通信】

   みなさん、こんにちは。馬医金満です。

   上場企業の早期退職・希望退職の人数が増えています。東京商工リサーチの調査によると、2020年10月29日までに募集をかけた企業は72社に達しました。このデータは2019年通年(35件)の2倍増と急増。年間で募集企業が70社を超えたのは2010年の85社以来、10年ぶりのことといいます。

   募集人数も、現状の判明分だけで1万4095人を数え、19年通年の1万1351人を上回っています。

参考リンク:「大リストラ時代がやって来た! 日立金属、コカ・コーラ、ファミリーマート、リクシル... 上場企業の早期退職募集が2倍以上に急増」(J-CAST会社ウオッチ2020年11月2日付)

  • 早期退職や希望退職を募る企業はまだ増える……
    早期退職や希望退職を募る企業はまだ増える……
  • 早期退職や希望退職を募る企業はまだ増える……

日立金属、レオパレスは1000人超

   募集人数で、最多は日立金属の1030人(2021年3月期、2022年3月期)です。次いで、レオパレス21の1000人、コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスの900人、ファミリーマート800人(応募1025人)、複数の子会社で募集を行うシチズン時計の750人となっています。

   また、一つ興味深い点としては、早期・希望退職者を募集した72社のうち、38社(構成比で52.7%)が本決算で赤字を計上しています。

   本決算は黒字でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大後の急激な業績悪化で直近の四半期に赤字転落した企業は16社(同22.2%)でした。このあたりを考えると、業績別では今後、旅行業界や外食業界からも退職人数が増えてくることが予想されます。

   もっとも、街の飲食店などではアルバイト店員がいなくなったり、閉店に追い込まれたりしていることを考えれば、チェーン店大手は退職金があるだけ、まだいいのではないでしょうか。

   厚生労働省の求人、求職、就職の状況をとりまとめ、一般職業紹介状況として毎月公表している一般職業紹介状況をみると、有効求人倍率(季節調整値)は1.03倍となり、前月を0.01ポイント下回りました。

   この数値は、今年に入ってから下がり続けており、今後も厳しい状況が続くものだと考えています。

   では、また来週!(馬医金満)