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色の決め方実践編 「キーカラー」で重要なのはコンセプト!(入澤有希子)

   前回、コーポレーカラーについてお伝えさせていただきました。

「実際、これから新しいブランドを立ち上げるんだけど、色の決め方が難しい」
「コンセプトに合った色ってどうやって決めるの?」

など具体的な内容を知りたいという声をいただいたので、ブランディングのときのキーカラーの決め方について、お伝えします。

参考リンク:「コーポレートカラー」は必要です! 自社ブランドを染めあげる「色」ありますか?(入澤有希子)」(J-CASTニュース 会社ウォッチ2020年10月29日付)

  • 街には「色」があふれている!(写真は、東京・渋谷スクランブル交差点)
    街には「色」があふれている!(写真は、東京・渋谷スクランブル交差点)
  • 街には「色」があふれている!(写真は、東京・渋谷スクランブル交差点)

「女性」「健康」「幸せ」から連想する色は?

   ふだん何気なく入るお店のなかでも、コンビニのように全国にあるようなお店は、どこに入っても同じ印象を受け、安心感があります。お店でなくても、一つの会社という組織であれば、みんな名刺の色が同じ。毎日、会社のロゴマークの色が変わるなんてことはありません。

   このように、企業や団体などの組織を象徴する色を「コーポレートカラー」といいました。仕事をしていると、

「ホームページをリニューアルすることになった」
「新商品の開発に携わることになった」
「新しいアプリの開発をすることになった」

など、何かを作る場面に出会う方もいらっしゃると思います。

   こうしたブランディングのためのキーカラーを決めるのは、悩ましいですよね。じつは、わたしがキーカラーを決めるご相談に乗らせていただく時に、必ずお聞きすることがあります。「その商品のコンセプトはなんですか?」という質問です。コンセプトは、色を決めるうえで、とても重要だからです。

   ある食品のパッケージデザインを担当させていただいた時のことです。購入されるお客様の性別、年齢、ライフスタイル、その商品でどんな感情を抱いて欲しいのか、などをお聞きしました。他にも、創業への思い、これからどんなことをしたいかなど、インタビューをさせていただきました。

   すると、共通するキーワードが出てきました。「女性」「健康」「幸せ」など......。抽象的な言葉でも構わないので、いくつか出しもらいました。そこから、「女性」「幸せ」という言葉から、連想できる色を探します。この時は満場一致で「ピンク」でした。

   また「健康」というキーワードからは、「オレンジ」「イエロー」「グリーン」という食べ物や自然の色を連想しました。その中から、その商品にふさわしい色、ピンクと相性のいいを選んでいきました。結果、パッケージにはピンクがメインに使われ、グリーンをサブカラーに選びました。

同系色か対照色か? サブカラーの決め方

   このように、

1. 商品の背景を洗い出す
2. 背景に共通するキーワードを見つけ出す
3. キーワードにふさわしい色を選ぶ
4. メインカラーを決める
5. サブカラーを決める

という流れを追って色を決めていきます。

   ちなみに、キーワードは出せるけど、キーワードからどんな色を連想したらいいかわからないという声もあると思います。そんな時は、ふさわしくない色を選択肢から外すのもオススメです。たとえば「女性らしい色」であれば、黒や青は入らないのではないでしょうか。

   また、アンケートをとってみてもいいでしょう。商品のターゲットに近い方を集めてみましょう。いくつかの色のサンプルを見せて、「どれが女性らしいと思いますか?」と色から受ける印象を聞くアンケートを作成します。

   色を決める順番は、メインカラーを決めてから、サブカラーを決めるのがオススメです。サブカラーの決め方は、同系色にするのか対照色にするのかという二つの考え方があります。

   同系色にするとブランドカラーの印象が強くなります。対照色にすると活発な印象になります。どちらの印象がブランドとしてふさわしいのか検討しましょう。またデザインするものの見やすさ読みやすさなども大事なので、デザインとのバランスで決める方法もあります。

   ふだん何気なく見ているお店の看板やお店のチラシ、アプリの配色など、色は至るところにあふれていますね。ぜひ、街中にある看板やお店のロゴなどから、伝えたいメッセージを読み取る訓練をしてみてください。あなたのビジネスに役立ちこと間違いなしです!(入澤有希子)