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非正規の40代女性が公務員試験に合格!「務まるか...」そんな迷いに「大丈夫。頑張って!」と多くの女性がエール(1)

   これまで夫の転勤に同伴し、ずうっと非正規で働いてきた女性が40代後半になって公務員試験に合格した。

   「やりがいもありそう」「ボーナスももらえる」という喜びにひたりながら、「この年で務まるのか」「勤務時間もきつくなり体力が続くのか」と不安になり、引き受けるべきか悩んでいる。

   そんな女性の投稿に、「大丈夫!まずは公務員、始めてみては?」と多くの女性がエールを送っている。専門家に聞いた。

  • 公務員になる(写真はイメージ)
    公務員になる(写真はイメージ)
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「一度ももらったことのない賞与への憧れ」

   話題になっているのは、女性向けサイト「発言小町」(2020年10月31日付)に掲載された「40代で公務員試験に合格しましたが」というタイトルの投稿。こう綴っている。

「40代後半、子なし既婚女です。この度、ある専門職の公務員試験に合格しました。しかしこの機会を受けるか否か迷っております。理由は=勤務時間が長い・気力・体力的に続けられるか自信がない/それでも代えがたいやり甲斐があることも確か・公務員なので安定した収入が得られる」

   投稿者はいわゆるロスジェネ世代で、夫の転勤に帯同していたため、合格した専門職と同じ仕事を非正規で続けてきた。難関試験を一発で合格できたのは運がよかったと思っている。公務員という安定の職に就き、一度ももらったことのない「賞与」への憧れもある。老後の生活のことも考えて、いい話とも思う。しかし、こう続けるのだった。

「これまで非正規でも続けてきた経験の強みを生かせるし、人の役に立てているという感じがあります。でも、それは非正規の立場、環境だからそう思えているかもしれない。夫は私の好きなようにしたらいいとは言うものの、就業後の私の心身の健康を懸念している様子。こんな状況でどうしたらよいのか悩んでおります」

   この投稿には、現職の公務員や公務員経験者から、多くの励ましのエールが寄せられた。

「私も元公務員。おめでとうございます。こんなお悩みは、お仕事を始められてから考えたらどうですか? まずは公務員のお仕事をやってみる。それで無理なら辞めればいいだけ。初年度は研修とか結構ハードだと思うので、1年なんてあっという間。とりあえずは3年頑張ってみて」

「災害時には自分や家族より住民の生命が優先ですよ」

試験勉強も頑張った(写真はイメージ)
試験勉強も頑張った(写真はイメージ)
「私も40代前半で公務員試験に合格しました。それまでは同じ職種の非正規で働いていました。通勤も1時間かかるようになるし、子どもが小学生だったので悩みました。大変ながらもなんとか続いています。収入は増え、生活も安定しました。仕事は責任もあるし、40過ぎてから新しい職場に慣れるのはなかなかしんどいものもありました。でも、今はあの時就職してよかったと思っていますよ。あなたも頑張ってください!」
「中途採用でも非正規での長い経験があるなら、プレーヤーのままではいられませんが、これまでたくさんの職場を経験した強みを生かすことができますよね。住民対応も、正規職しか知らない人には出せない人間味も出せると思いますよ。人生経験がある! と思って飛び込んでみてはいかがですか」
「病院スタッフです。ぜひ挑戦してほしいです。慎重な性格とお見受けします。でもまだ40代。私も正社員となったのは40代。正規では有事対応や行事担当などいろいろな責任もありますが、なにせ魅力なのは収入。同職種の非正規でいると、時給1500円×時間数、扶養内勤務でしたが、正規となると時間数は2倍、収入は3倍になりました。メンタル、中年なので図太いです。特殊な配慮が必要な方に太刀打ちする力も年を取って付きました。きっと大丈夫ですよ。3日、3か月、3年、すぐに経ちますよ」

   もっとも、公務員の仕事は厳しく、それなりの覚悟が必要だという指摘の声も多かった。

「長いこと公務員として勤務しました。同じ仕事といっても、正規と非正規とでは責任も任される仕事の内容も全く違ってきます。特に、大規模災害の発生時は自分や家族より何よりも仕事優先、住民の生命と生活を守ることを優先しなければなりません。それが公務員です。東日本大震災の時や台風の時など、夜通しの災害対応となり、自宅に戻れない日が続きました。公務員になるのであれば、心のどこかに留め置いておかなければならないことです」
「つらいこともたくさんありますが、それを帳消しにする感動(喜び)があり、この仕事を続けています」
「教員をしていますが、ここ数年採用年齢がどんどん上がり、お子さんが中学生くらいの方も採用されることが増えました。新卒の方と一緒に配置されることもあるでしょう。ジェネレーションギャップや、本当のつらさを感じることが必ずあるでしょう。臨時採用とは根本的に責任が違います。覚悟のない方は無理だと思います」

(福田和郎)