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「鬼滅の刃」が影響? 2022年卒の就職先人気企業ランキング(1)

   新型コロナウイルスの感染拡大が企業の業績を直撃したことで、新卒者の採用計画にブレーキがかかりはじめたなか、2022年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象にした「就職先人気企業ランキング」が発表された。

   コロナ禍の状況を反映して、経済活動の自粛の影響や業績ダメージが比較的少ない、安定的な総合商社や金融機関などの大手企業が人気を集めた。

  • 22年卒の就活はコロナ禍が大きく影響しそうだ
    22年卒の就活はコロナ禍が大きく影響しそうだ
  • 22年卒の就活はコロナ禍が大きく影響しそうだ

文系男子、メガ損保が躍進

   就職情報サービスのダイヤモンド・ヒューマンリソースの調査によると、文系男子のトップ10では、総合商社の中で業績が好調で時価総額首位の伊藤忠商事が前年に続き1位を獲得。三菱商事(3位)、双日(6位)、三井物産(9位)と総合商社4社が10位以内に顔をそろえた。

   新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、資源・エネルギー価格の下落や投資先の業績悪化に見舞われるなど、総合商社をめぐる事業環境は厳しくなっている。しかし、ダイヤモンド・ヒューマンリソースによれば、幅広い事業領域で活躍することへのあこがれが引き続き強く、総合商社人気は継続しているという。

トップ10に「メガ損保」3社がそろい踏み
トップ10に「メガ損保」3社がそろい踏み

   トップ10では、東京海上日動火災保険(2位)、損害保険ジャパン(4位)、三井住友海上火災保険(5位)と、上位でメガ損保3社がそろい踏み。損害保険業界はコロナ禍でも通期の業績見通しは底堅いことが躍進の要因という。

   一方、生命保険業界は、対面営業の自粛などから単年度業績への影響があるものの、日本生命保険(8位)、第一生命保険(10位)がトップ10にランクインした。

   総合商社の併願先として学生が意識するのはコンサルティング業界や不動産デベロッパー。NTT都市開発(11位、前年同期調査37位)、野村総合研究所(12位、同81位)、PwCコンサルティング/PwCアドバイザリー(13位、圏外)、アクセンチュア(14位、同30位)、三菱地所(15位、同13位)、三井不動産(16位、同12位)、東京建物(20位、同91位)などが20位以内にランクされたが、うち多くが、前年同期の調査と比べて大幅に順位を上げた。

   内需に軸足を置き、コロナ禍によるダメージが少ないことが一因と考えられるとしている。

理系男子にIT系復権 DXの影響か?

理系男子はNTTデータが初の首位
理系男子はNTTデータが初の首位

   理系男子は、1978年の調査開始以来、初めてNTTデータが1位に立った。同社を筆頭に、野村総合研究所(8位)、Sky(10位)とIT・情報系の大手企業がトップ10に3社ランクインした。

   NTTデータは31期連続で増収。野村総合研究所も売上高、営業利益が過去最高を達成。コロナ禍の影響でビジネス環境が大きく変わるなか、DX(デジタルトランスフォーメーション)に対する企業の関心が高まっており、「デジタル投資の拡大を背景に業績が好調なうえ、学生の知的好奇心に応えるインターンシッププログラムを提供していることも人気を集めた要因と思われる」とダイヤモンド・ヒューマンリソースはみている。

   文系男子では大きく後退した鉄道業界だが、JR東海が2 位、JR東日本が3位と理系男子では人気を維持。業績が好調なソニーが4位、トヨタ自動車が7位にランクされた。

   ダイヤモンド・ヒューマンリソースによると、文系男子同様、コロナ禍の影響で内需系企業に人気が集まり、不動産デベロッパーや道路、ゼネコンが順位を上げた。さらに研究開発に期待が集まる製薬メーカーが堅調だった。