2021年 10月 18日 (月)

テレワーク時代、ジョブ型雇用導入は悩ましい そんな中小企業がやっておくべきこと

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   日立製作所やKDDI、富士通など大手企業が導入するなど、今年(2020年)注目される言葉となった「ジョブ型雇用」。これは「ジョブディスクリプション(職務記述書)」に従って、契約する雇用制度ですが、成果性の強い雇用制度への転換に、いよいよ働く環境が「変わるかもしれない」と感じることが多くありました。

   コロナ禍によるテレワークの浸透で、このジョブ型雇用の導入が広がっています。しかしその半面、「ジョブ型雇用は日本には向かない」「中小企業ではムリ」など、さまざまな声は少なくありません。人事制度の導入と改革に10年の業務実績がある株式会社さかえ経営代表の森田征(もりた・すすむ)さんに、聞きました。

  • ジョブ型雇用の導入、どう進めるべきか!?
    ジョブ型雇用の導入、どう進めるべきか!?
  • ジョブ型雇用の導入、どう進めるべきか!?

ジョブ型雇用は「職務に対して報酬が決まる」イメージ

――ジョブ型雇用が注目されていますが、そもそも森田さんがこれまで経験した中で、企業が人事制度変革を考えるタイミングとは、どのようなタイミングになるのでしょうか。

森田征さん「人事制度の変更をする動機はさまざまですが、数多く見てきた中では、 (1)年功制度の廃止
(2)ビジネスモデルの変換
(3)人件費の見直し
といったことが多いです。やはり、事業再構築(リストラ)の一環で行うことがほとんどですね。現在のコロナ禍でのテレワーク・リモートワーク導入が人事制度見直しの機会になることは多いと思います」

――ジョブ型雇用は、専門性を高めたい職種、個人にはメリットがありそうです。デメリットと、それぞれ教えてください。

森田さん「まず、ジョブ型雇用をご説明するに、コンビニエンスストアの店員をイメージしてください。基本的に、誰がその仕事をしても時給は変わりませんよね。このように、人ではなくて職務に対して報酬が決まるものについて(ジョブ型雇用を)適用するイメージをもっていただくとわかりやすいかもしれません。いわゆる、その仕事や職務が決まっている場合や高度な専門職(たとえば、金融ディーラー)などの場合も、ジョブ型雇用に該当するケースがあります。
企業側のデメリットは、運用が大変なことです。業務内容を把握しておく必要がありますが、業務の変更が激しい場合運用が難しくなることもあります。また、上層部やベテラン社員の『アタマが脱皮できない』ということも難しくさせるケースがあります」

――|上層部のアタマが脱皮できない」とは、どういうことなのでしょう。

森田さん「企業の多くはここまで年功序列で成長してきており、おのずと経営幹部やベテラン社員は、上司と部下の関係、会社と個人の関係に『この場合はこうだろう』という、仕事や仕事関係に関するなんらかの通念があります。ですから、どんな制度に変更しても、昔から会社にいる人にとっては、従来の人間関係や上下関係を求めてしまうということがあるのです。
また、年功序列の会社では『職能資格制度』を敷いているケースが多いです。これは、職務能力の程度によって基本給が変わるというものですが、職務能力の判定が難しいため、経験に積む(=年数を経験する)ことで能力が上がると想定することになり、結果的に年功序列につながっていくもいわれています。こうした制度で長く在籍した上層部や在籍年長者は、年齢に応じて報酬、役職が高いという通念がありますので、制度を変えてもアタマが変わらないということになるわけです」
高井 信洋(たかい・のぶひろ)
高井 信洋(たかい・のぶひろ)
クラウドパワーパートナーズ株式会社 代表取締役
2013年に創業。テレワーク・クラウドソーシング活用した事業開発コンサルティングとして事業を開始した。現在、在宅翻訳者3000人をネットワークし、IT・マーケティング業界向けの翻訳・メディア編集をサポートする「あなたの翻訳チーム」を提供している。
テレワーク・リモートワーク分野での執筆、講演、コンサルティングなどを行うほか、テレワーク経営のためのサービス・専門家を探す「テレワークソリューションバンク」を運営している。
テレワークソリューションバンク:https://www.telework-bank.com/
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