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英ポンドで明暗 同志社大はガッチリ、明大は後退 慎重な慶大(第8節)【FX大学対抗戦 Bグループ】

   同志社大学のFOXさんは直近の2週間、試験のため取引を見送っていたが、「今週(2021年7月12日週)は、少しトレードを考える時間ができた」と、ここ最近のファンダメンタルの動向を把握したうえで、英ポンド円に投資。ガッチリ、利益を確保した。

   明治大学の佐藤諒さんは、オーストラリアドルと英ポンドでチャレンジ。先週から勝率を上げるため、「玉」を分割して細かく取引する作戦に出たが、結果は敗け。「トレードすればするほど安定して利益を上げることの難しさを痛感させられます」と言う。同志社大のFOXさんとは、ポンドで明暗を分けた。

   先週(7月5日週)に体調を崩してしまった慶応義塾大学の2Gさんは、そのためにチャートを見られなかったため、分析が不十分だったと、取引を見送り。大学の期末試験が終わっていないこともある。早稲田大学のNAKAMURAさんと一橋大学のボンゴレさんも、試験のため、取引をお休みした。

  • 早稲田大学と明治大学が100万円割れに……
    早稲田大学と明治大学が100万円割れに……
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休み明けで分析不十分、取引見送り(慶応義塾大学 2Gさん)

   FX大学対抗戦8週目。先週(2021年7月5日週)は体調を崩してしまい何もできなかったが、今週(12日週)は切り替えていきたい。

   結論から言うと、今週は取引しなかった。先週あまりチャートを見られなかったため、分析が不十分であったのと、大学のテストが終わっていなくて時間があまりとれなかったというのが大きい。とりあえず今週はチャートの流れと来週以降の動きの整理をしたい。

◆ 今週のまとめ
   7月12日週は、ドル相場が方向性を見せず振幅する中で、円相場は円高圧力が優勢になっている。米消費者物価指数の上振れが市場に不透明感を高める一方で、米FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の議会証言では雇用情勢を見極めたいとして、テーパリング(量的緩和の縮小)を急がない姿勢が強調された。
   米株式市場は最高値圏を維持しており、調整の動きは比較的抑制されている。その中ではハイテク株中心のナスダック指数は上値が重く、今後注意が必要な動きとなっているとわかる。

◆ 今後の動き
   ECB(欧州中央銀行) は7月6日に18年ぶりとなる金融政策戦略の見直しを発表した。インフレターゲットをこれまでの2%に届かないが近い水準から2%に引き上げ、またオーバーシュートについても許容することを示して柔軟性を確保する形となった。
   それを踏まえ、22日には戦略見直し後初となるECB理事会が開かれる。世界的にテーパリングへの期待が広がるなか、ECBは今回の戦略見直し後に、来年3月までのパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)において、予定された全額を使い切るとの見通しが高まるなど、緩和姿勢を強めるという見通しが広がった。
   デルタ変異株による感染拡大が世界的に広がるなか、政策を変更する場合は今後の状況を見極めてからという見方が強まりつつあるように感じる。
   ドル、円、ユーロの3大通貨の中で、緩和姿勢の後退などはるか先と見られる円はともかく、米国とユーロ圏のテーパリング開始はどちらが早いのか。この見通しが相場動向に大きく影響を与えるため、今回のECB理事会での声明や会見には注目したい。
   理事会で慎重な見通しが見込まれる一方、景況感は力強い数字が期待されるなど、事前予想でも強気・弱気が入り混じる難しい展開となっている。やや頭の重い展開が続いているが、次の方向性をしっかりと見極めたい。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
FRB(米連邦準備制度理事会)はいったいいつ金融政策を変更するのか、要人発言で振らされている人も多いでしょう。若干マニアックですが、ブレのない判断として、FRB議長の年2回の議長証言があります。ここの発言を変更することはできないため、今後の指針に役立ちます。ニュースを見るのも良いですが、原文を読むことをオススメします。なお、Google翻訳でもきれいに翻訳され、英単語の意味の違うように変換されることはないようです。
もし興味がありましたら「FRB tastimony」で検索し、文書を読んでみてください。大きなヒントは金融政策部分の「変更する決定を発表する前に事前に通知する」というところではないでしょうか。
毎年8月末に開かれる経済シンポジウム、ジャクソンホール会議でテーパリングの議論開始を発表するのではないかというのが、市場のコンセンサスになりつつあります。

前週からの損益  プラス・マイナスゼロ
7月16日現在       110万4700円

慶応義塾大学 2G
慶応義塾大学 2G
慶応義塾大学商学部2年。FXは高校生の頃に少し触ったが、損失が膨らみ休止。今回のFX大学対抗戦を機に学び直し、利益を出せるように励んでいきたい。

英ポンド円は手ごわい!?(明治大学 佐藤諒さん)

   先週(2021年7月5日週)から勝率を上げるため、「玉」を分割してナンピン(保有している株価や通貨が下がったときに、さらに買い増して平均購入単価を下げること)や追加できるようにする計画を実行しました。

   しかし、結果は惨敗でした。プラスとなった取引は「売り」の割合が多いようです。これが勝率にどのように関わってくるかはまだわかりませんが、週の後半に勝つことが多いです。前半の負けを取り戻すため真剣にやっているのかもしれません。

   次から取引回数を少し減らし、選定の過程を増やしたいと思います。また大学のテスト週間のためトレードに割く時間が減ってしまうと思います。

◆ 今週の取引
1. AUD/JPY(豪ドル円)売り マイナス5000円
2. GBP/JPY(ポンド円)買い  マイナス2万円
3. GBP/JPY(ポンド円)買い  マイナス4万円
4. GBP/JPY(ポンド円)売り  マイナス3万円
5. GBP/JPY(ポンド円)売り  マイナス1万円
6. AUD/JPY(豪ドル円)売り   プラス3万円
7. AUD/JPY(豪ドル円)売り   プラス6万円
合計              マイナス1万5000 円

   取引1ではさっそく建玉を2回に分けたため、片方は利益、片方は損失となり、結果として、わずかな損失となりました。玉の分割の効果がしっかり現れたと思います。しかし取引2以降は玉分割により、最終的に建玉が大きくなり損失が大きくなってしまいました。

   下図は2回目トレード時のGBP/JPYの30分足チャートです。

   このトレードでは下位チャートで逆三尊(相場の底入れを示すテクニカル分析のシグナルの一つ)が現れており、上値へのブレイクアウトを予想しエントリーしました。最近5分足を見てエントリーしていたので気づかなかったのですが、後から見れば決してエントリーすべき場所ではなかったように思えます。

   これは下落トレンド時に買いエントリーしているので逆張りになりますが、逆張りをするならもう少し底でエントリーすべきで、できなかった場合は見逃すべきだったと思います。また、一時は利益が出ているので、撤退すべきでした。

   逆張りは勝率を高め、順張りは利益額を高めることに気をつけてやりたいと思います。また、上位足チャートをチェックし方向性を確かめたいと思います。

   トレードすればするほど安定して利益を上げることの難しさを痛感させられます。次回以降気合を入れて、すべての取引で勝つくらいの気持ちで挑みたいと思います。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
ブレイクアウトでのエントリーということですが、一時的に大きく動いているため、むしろ良いのではないでしょうか。ここ最近のクロス円は難しく、特にポンドとニュージーランドドルは節目もきれいでなくサプライズも多いため難易度が高い相場となっています。そのため、継続していけばプラスになるトレードの判断材料かと思います。
さて、英イングランド銀行のサンダース委員が「早期の刺激策解除が適切になる可能性がある」と発言しました。そして、19日にはロックダウンの大半を解除するなど短期間でコロコロ変わっています。英国のある教授は、1日の感染者数が10万人に達するのは確実との見通しを示しており、1日に1度英国の感染状況をみると良いのではないでしょうか。

前週からの損益  マイナス1万5000円
7月16日現在        99万5000円

明治大学 佐藤諒(さとう りょう)
明治大学 佐藤諒(さとう りょう)
明治大学商学部2年。投資歴2年。よくトレードするのはUSD/JPY(米ドル円)。東京在住です。

試験明け、英ポンド円でがっちり!(同志社大学 FOX)

   今週(2021年7月12日週)は、先週や先々週と比べて少しトレードを考える時間ができたので、とりあえずここ最近のファンダメンタルの動向を把握することにしました。

   先週の週末にかけてのクロス円全般の暴落からの暴騰を見て、今週初めは週足でも大きな下ヒゲ(下値で買い圧力が強まった際に現れる線)ができていることから、その影響もあり上の少しは伸びるのかなと、おおかた予想していた。しかし今週は意外にも下への圧力が強く、ユーロ円、ポンド円とともに先週の暴落の水準まで戻るという展開になった。

   テーパリング(量的緩和の縮小)や利上げの話をニュースサイトで見る限り、円は最弱通貨であり、ポンドやドルなどが強いということには変わりはありませんが、ここまで下への圧力が強いとなると、少し見方を変えなければいけないのかもしれない。

   そこで一つの仮説として、もうテーパリングや利上げの今、出ている情報はしっかりと織り込まれていること。そして二つ目としてワクチン接種は進んでいるがコロナの変異株であるデルタを懸念されているのか。他にはワクチンの効果率が下がったという情報も見た。これらがクロス円の上昇を抑えてしまっているのではないかと考えている。

   そして個人的なトレードについては自分の得意としている、ロンドンオープン前後でのポンド円の取引を少し行った。7月12日のアジア時間での抵抗帯を抜け切ったところでのエントリー。1ポンド=152.86円で入り、152.66円で利益確定。しっかり利益をとった。プラス2万円。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
相場がどこまで織り込まれているのか、現在の相場を動かしているテーマを知ることは重要です。
政策金利の織り込み具合は、通貨オプション動向や2年債利回りから判断することができますが、これは少し難易度が高いくなります。そこで、シンプルにFRBの予想を知るためのツールとして、CMEの「FedWatch」があります。今後のFOMCの日程と政策金利の予想が表示されており、これがおおよその市場予想となります。
現在のところ、2022年3月の利上げ予想が5.3%、6月になると15.6%、12月には39.1%となっています。
これを見ていない市場関係者はいないため、是非参考にしてみてください。

前週からの損益  プラス2万円
7月9日現在   105万4040円

同志社大学 FOX
同志社大学 FOX
同志社大学経済学部3年。好きな言葉は「人の行く裏に道あり花の山」。ワンピースと宇宙兄弟好きです。投資経験はほぼなく、初心者。20歳になって少し経って取引口座を開き、FXを初めて3か月目くらい。資金をゼロにしないようにしたい。
福岡県出身。

◆ 試験期間のため、取引はお休みしました(早稲田大学 NAKAMURA)

前週からの損益  マイナス3万789円
7月9日現在       96万1171円

早稲田大学 NAKAMURA
早稲田大学 NAKAMURA
早稲田大学法学部3年。株式投資クラブforwardに所属。経験不足で至らない点も多々あるかと思いますが、温かい目で見ていただけると幸いです。初心者なりに試行錯誤してみますので、FXに触れたことのない方や、ぼくのようにほぼ初心者の方には親近感を持って読んでいただけると思います。よろしくお願いします!

◆ 試験のため、取引は見送りました(一橋大学 ボンゴレさん)

   今週(7月12日週)は決済取引をしておらず、スワップ損益がプラス1700円という結果です。

前週からの損益    プラス1700円
7月9日現在      110万8100円

一橋大学 ボンゴレ
一橋大学 ボンゴレ
一橋大学商学部2年。ふだんはファンダメンタルズ分析を通じた株式投資を勉強しており、FXは今回が初めてです。FX大学対抗戦を通じて実力をつけたいと思っています。
神奈川県出身。
◆100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはクロス円取引とします。
・レバレッジは25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で資産が「ゼロ」(元本割れ)になった場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
学生投資連合USIC

「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/