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「家計埋蔵金」こんなに! 損害保険や通信費、サブスクの見直しで1世帯平均6万円超

   「携帯通信費」や「自動車保険」、「火災保険」、「サブスクリプションサービス」の4項目の固定費の月々の支出や契約を見直すことで、1世帯当たり年間6万2555円を節約できることが、ソニー損害保険(東京都大田区)の調べでわかった。

   コロナ禍などの影響で夏のボーナスが3年連続で減少したことを踏まえ、全国の1000世帯を対象に、家計の固定費の実態と節約の可能性を調査した。2021年8月17日の発表。総額は年間で推計3兆6952億円にのぼり、これは大阪府の年間予算3兆7275億円に迫る規模(大阪府2021年4月20日専決処分一般会計補正予算/第2号)という。

   調査では、この4項目の「月々の支出」や「契約形態による支出の差額」を調査。そこから導き出される契約形態の変更や見直しによって節約できる可能性がある固定費を「家計埋蔵金」と名付けて、日本全国の推計総額を算出した。

  • コロナ禍で家計はやり繰りが大変……
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夏の賞与8%減、食用油や小麦粉... 相次ぐ値上げが家計を圧迫

   新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響が長引いていることを受けて、多くの業種で夏のボーナスが減少傾向にある。日本経済団体連合会が2021年8月5日に発表した「2021年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果」によると、妥結額の総平均は82万6647円と、前年の90万1147円から8%超も減少。18年から3年連続で夏のボーナスが減額されている。

   また、今年になって暮らしに密接に関わる電気料金や食用油、小麦粉などが相次いで値上げされ、家計は厳しさを増している。こうした現状を踏まえて、 毎月の固定費を見直すことで節約できる「家計埋蔵金」を、ソニー損保が調査した。

   個別にみると、通信費の家計埋蔵金は約2兆8040億円。3大キャリアの通常プランの契約を節約の余地ありとみて、3大キャリアの通常プラン以外との差額をもとに算出した。

   自動車保険は、約2728億円の節約。契約形態である代理店型とダイレクト型を比べ、その保険料の差額をもとに算出した。また、火災保険の家計埋蔵金は約449億円。こちらも、代理店型とダイレクト型を比較して算出。この調査では、代理店型からダイレクト型に乗換えることで約9%の節約につながることがわかった。

   人気のサブスクリプションサービスでは、約5735億円の節約。サービスに加入してはいるが、ほとんど利用していないサービスの月額料金をもとに算出した。

そのサブスク、使っていますか?

   ファイナンシャルプランナーの清水香さんは、

「コロナ禍で、どの家計も何らかの影響を受けています。足元の家計を見直し、なかでも、誰にでもできて、効果が実感しやすいのが固定費の見直しです。今回の調査の中で、効果が大きいのは携帯通信費の見直しです。家計に与える影響は非常に大きく、いまや生活インフラとなったスマートフォンは新たな固定費です。しかし、格安プランも出そろい、コストを抑える選択が可能です。
またサブスクリプションサービスも、コーヒーから家具に至るまで、あらゆるものがサブスク化していますから、それぞれは低単価でも、多数になれば負担がかさみます。サービスの有無すら忘れがち。『欲しいかどうか』より『要・不要』を軸に見直すとよいでしょう」

と、アドバイスする。

   損害保険については、代理店型から、保険料が抑えられるダイレクト型への切り替えのほか、一つひとつの補償を束ねて選びやすいパッケージ型よりも、必要な補償を確保しつつ必要性の低い補償を削ることができるアラカルト型への見直しもあり、と指摘する。ただ、近年は自然災害の増加で火災保険料が値上がりしている。

   なお調査は、2021年6月30日?7月8日に実施。全国の20代~60代の持ち家世帯の男女が対象。サンプル数は1000人。