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株価3万円台乗せ、維持できるか!? 膨らむ「新首相」の経済政策への期待(9月13日~17日)【株と為替 今週のねらい目】

   2021年9月29日の自民党総裁選を前に、「首相」候補の経済政策への期待感から、東京株式市場の日経平均株価が3万円台をとらえようとしている。新型コロナウイルスの感染者数の鈍化傾向が強まったことも重なった。9月10日の終値は3万381円84銭。少々、過熱ぎみのようでもある。

   その一方で懸念されるのが、米国の景気回復の状況だ。新型コロナウイルスの感染拡大が再び拡大しているおり、米国株の足を引っ張る。ドルも上値が重く......。

   どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 新型コロナウイルスの感染再拡大で米国株はどうなる?(写真はイメージ)
    新型コロナウイルスの感染再拡大で米国株はどうなる?(写真はイメージ)
  • 新型コロナウイルスの感染再拡大で米国株はどうなる?(写真はイメージ)

東京株式市場 気になる米国の景気回復

日経平均株価予想レンジ:2万9700円~3万700円

   2021年9月10日(金)終値 3万381円84銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、上値を試す展開か。

   前週の日経平均株価は、大幅続伸して3万円台を回復した。自民党総裁選に向けた政策期待が相場上昇の要因となっている。加えて、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にあることも好感されている。

   今週の日経平均株価は、上値を試す展開か。9月29日投開票の自民党総裁選に向け、政策期待が続いており、相場を押し上げる要因となっている。さらに、新型コロナウイルスの新規感染者数の減少が続くことで、緊急事態宣言の解除の可能性が出てきたことも期待感を高めている。

   ただ、日経平均株価の上昇ピッチが速く、過熱感があることには注意が必要。調整局面に入る可能性も十分にありそうだ。

   また、米国の景気回復の遅れが懸念されていることに加えて、コロナ禍の感染再拡大が懸念され、上昇を続けていた米国株に陰りが出ている。米国株が崩れるようであれば、日経平均株価も調整局面入りする可能性がある。

東京外国為替市場 米国でコロナ禍再び、ドル上値重く

ドル・円予想レンジ:1ドル=109円00銭~111円00銭

   2021年9月10日(金)終値 109円93銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、引き続きレンジ内での取引か。

   前週のドル円相場は、ドルがレンジ内での取引となった。雇用回復の兆しを受け、ドルは一時1ドル=110円半ばまで買われたものの、米国の景気回復に対する懸念が強まり、1ドル=109円半ばまで下落した。

   今週のドル円相場は、引き続きレンジ内での取引となりそうだ。米国での新型コロナウイルスの感染再拡大により、米国の景気回復に対する懸念が強まっており、ドルの上値を抑えている。

   半面、米国の量的緩和策の縮小が年内に開始される可能性が強まれば、リスク選好のドル買いが強まる可能性もある。この2つの大きな材料の「綱引き」状態となっており、米国の経済指標の結果には注意が必要となる。

   経済指標は、国内では13日に7~9月期の法人企業景気予測調査、15日に7月の機械受注、16日に8月の貿易収支、17日に自民党総裁選告示日などが予定されている。

   海外では、14日に米国の8月の消費者物価指数、15日に中国の8月の鉱工業生産と小売売上高、米国の8月の鉱工業生産、16日に米国の8月の小売売上高などが予定されている。

(鷲尾香一)