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株価再び3万円の「壁」 岸田新政権への期待感、どこまで?(10月4日~8日)【株と為替 今週のねらい目】

   東京株式市場の日経平均株価が、3万円台を割れた。中国の不動産大手、恒大集団の経営危機への警戒感の高まりをきっかけに米国株が大幅に下落したことを受けて、続落した。外国為替市場もまた、恒大集団の資金繰り問題に加えて米国連邦政府の債務上限問題がドル上昇の重しとなっている。

   一方、国内では自民党総裁選が終わり、岸田文雄新政権が立ち上がった。ウィズコロナの経済対策への期待感が高まっており、プラス材料となりそうだが......。どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 国内では新たに「岸田政権」がスタートした(写真は、自民党の岸田文雄氏。2021年撮影)
    国内では新たに「岸田政権」がスタートした(写真は、自民党の岸田文雄氏。2021年撮影)
  • 国内では新たに「岸田政権」がスタートした(写真は、自民党の岸田文雄氏。2021年撮影)

東京株式市場 続く? 米国株安の可能性

日経平均株価予想レンジ:2万8000円~2万9000円

2021年10月1日(金) 終値 2万8771円07銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、上値の重い展開となりそうだ。

   前週の日経平均株価は、米国連邦政府の債務上限問題やくすぶる中国・恒大集団の資金繰り問題で米国株が大幅に下落したことを受けて大きく続落。2万9000円を割り込んだ。

   今週の日経平均株価は、上値の重い展開となりそうだ。岸田文雄新政権の経済対策に対する期待感や、大幅下落からの自律反発、新型コロナウイルスの緊急事態宣言の解除などが支援材料となる。

   その半面、米国連邦政府の債務上限問題による米国株安の可能性、米国の長期金利上昇、くすぶる中国・恒大集団の資金繰り問題などが日経平均株価の上値を抑える要因となる。

東京外国為替市場 根強い米国のテーパリング観測

ドル・円予想レンジ:1ドル=110円00銭~112円00銭

2021年10月1日(金)終値 111円05銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが堅調な動きとなりそうだ。

   前週のドル円相場は、ドルが「行って来い」の展開となった。米国の量的緩和の縮小(テーパリング)観測が強まり、米長期金利も6月中旬以来となる1.56%まで上昇したことから、ドルは一時1円=112円台前半まで上昇した。しかし、米国連邦政府の債務上限問題が嫌気され、ドルは再び1ドル=111円台前半まで下落した。

   今週のドル円相場は、ドルが堅調な動きとなりそうだ。米国連邦政府の債務上限問題や中国・恒大集団の資金繰り問題が、ドル上昇の重しとなっているが、米国の量的緩和の縮小観測は強く、米国の長期金利も上昇しやすい地合いにあり、ドルの下支えとなっている。

   米国の経済指標が市場予想を上回るようであれば、ドルは上値を試す展開となるだろう。

   経済指標は、国内では、7日に8月の景気動向指数、8日にオプション取引に係る特別清算指数(SQ)算出、8月の家計調査、9月の景気ウォッチャー調査などが予定されている。

   海外では、5日に米国の8月の貿易収支と9月のISM非製造業景況指数、6日に米国の9月のADP雇用統計、8日に米国の9月雇用統計などが予定されている。

(鷲尾香一)