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コロナ禍でも企業の半数が「完全対面」 一方で転職者の4割強が「Web 面接が応募動機になる」と回答

   インターネットで求人情報サービスを提供するディップ株式会社が「コロナ禍の採用活動とコロナ収束後のDX」調査を実施したところ、1 次面接から最終面接までのすべての面接で「対面」だったと回答した転職者は48%、すべて「Web」と答えた人は21%。また、「(対面とWeb を)併用」しての面接だったと答えた人は31%だったことがわかった。

   調査によると、「併用」と「完全対面」を合わせると、約8割の企業が「対面」による面接を実施している。その半面、面接回数をみると「完全対面」が平均2.3 回、「完全Web」では平均3.4 回と1 回以上の差がみられる。これはカジュアル面談やオンライン説明会など、Web 面接向きの取り組みが活性化して回数が増えたことが要因の一つだと、ディップはみている。

  • 転職者の4割強が「Web 面接が応募動機になる」と答えた(写真はイメージ)
    転職者の4割強が「Web 面接が応募動機になる」と答えた(写真はイメージ)
  • 転職者の4割強が「Web 面接が応募動機になる」と答えた(写真はイメージ)

1 次と最終面接以外は「Web 面接」でOK!

   調査で、面接の段階ごとで「Web」と「対面」の使い分けの割合をみると、1次面接では「対面」が43.7%、「Web」が39.6%と若干「対面」の割合が高いが、ほぼ半々であることがわかる。

   続く2次、3次、4次では「Web」面接の割合が高いが、最終面接は「対面」が69.5%、「Web」は30.5%と、圧倒的に「対面」面接のほうが多いことがわかった=下図参照。

   その要因については、

「一度も会わずに入社は不安がある」

「企業の様子をみてみたい」

   などの、「Web」面接だけではつかみづらい雰囲気や職場の様子を確認したいニーズがうかがえた。

最終面接は「対面」は圧倒的!
最終面接は「対面」は圧倒的!

   さらに、「転職活動を行った際、Web面接ができることは、求人を応募するきっかけになりましたか」との問いには、転職者の73.1%がWeb 面接を魅力に感じており、そのうちの42.8%がWeb 面接であることを応募のきっかけとしていることがわかった。

「Web」だけだとコミュニケーション不足を感じるかも...

   Web面接を受けた人からは、「緊張しないで済む」「時間がとられなくて済む」といった声が多くみられ、不都合を感じる部分には「相手の反応がわからない」「きちんと伝えられたか不安」といった、コミュニケーション不足を感じている様子がうかがえた。

   具体的には、

「Web で面接するおかげで、企業までの移動時間が節約できるので多くの企業と面接して希望企業をじっくり比較できた。(中小企業、情報通信)

「在宅勤務終了後の夕刻の実施だったため、当時の会社を休まずに参加できたことが良かった」(大企業、金融保険)

と、Web面接に満足している人がいる一方で、

「最初の段階でのオンライン面接は賛成です。交通費や移動時間がかからないため、うれしいです。一方で最終面接は対面で人となりを見ていただきたいです」(大企業、その他)

「在職期間中の転職活動であったので、Web面接により時間調整がつきやすかったのがメリットだと感じた。転職先のオフィスに訪問できないので、オフィスの様子がわからないのがデメリットでした」(大企業、情報通信)

と「対面」との「併用」を求める声もあった。

   また、

「相手の仕草から感触が確かめられないので、状況に合わせた対応が難しかった」(大企業、情報通信)

と、Web面接で不都合があった人もいたようだ。

   ディップでは、4 割強の転職者が「Web」面接が魅力で応募したことから、

「コロナ収束後もWeb面接への対応は必須であることがうかがえます。ただ、この調査で人事側の意見も割れており、『(Web で気軽なことから)応募動機が不明確な応募者が増え、面接回数と工数が増えた』とするデメリットと『欲しかった年齢層の人材が獲得でき、さまざまな専門分野の人が集まるようになった』とメリットを得たとする声があり、現場では対応策を模索しているようですが、総じて応募者の層が広がったことは間違いないといえます」

とみている。

   なお、調査は2021年7月16日~26日に実施。首都圏(1都3県)と北海道、愛知県、大阪府、福岡県に住む20~69歳の男女で、直近1 年以内(20年4月~21年4月)にホワイトカラー、かつ正社員に転職した人が対象。サンプル数は515人(大企業258人、中小企業257人)だった。