J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

門出の春、引っ越し当日ねらう訪問販売詐欺急増! 「管理会社から来ました」は真っ赤なウソかも!

   もうすぐ門出の春。大学入学、社会人第一歩、転勤......と若者を中心に新生活を始める人が多い。新生活には引っ越しをともなうが、それを待っていた「詐欺師たち」の暗躍が始まる。

   マンションの管理会社などを名乗り、引っ越し直後をねらう訪問トラブルの被害が後を絶たないため、国民生活センターが2022年2月10日、「新生活が狙われる?引っ越し直後の訪問販売トラブル」という警告リポートを発表した。

   新生活が始まることの多い3月、4月はとくに注意が必要だ。

  • 管理会社を名乗る訪問販売は、まず疑おう(写真はイメージ)
    管理会社を名乗る訪問販売は、まず疑おう(写真はイメージ)
  • 管理会社を名乗る訪問販売は、まず疑おう(写真はイメージ)

「周りはみんな契約していますよ」に注意

   国民生活センターにはこんな事例が寄せられている。まさに新居に引っ越し当日のあわただしいタイミングをねらうのが、詐欺師の常とう手段だ。

【事例1】引っ越し当日に業者が訪れ、管理会社と関連があるかのようなウソの説明を受け換気扇フィルターを契約したケース
   引っ越し当日、業者が換気扇フィルターの勧誘に訪れた。管理会社と関連があるような口ぶりだったので説明を聞いた。「居住者はみんな契約している」などと説明された。全室が購入しているなら仕方ないと思い、約3万円を現金で支払い、2年分のフィルターを受け取った。その後、不審に思い管理会社に確認すると、無関係であることがわかった。不要なのでクーリング・オフしたい。(2021年4月・20歳代男性)

【事例2】管理会社の説明会に出なかった人に水回りの工事を行っていると業者に言われたが、ウソだったケース
   新築マンションの引っ越し当日、「管理会社から紹介された」と言って業者が訪れた。「オプションサービスの説明会を管理会社が開いており、その会で水回りの防カビ工事などの説明をしている。説明会に参加していない人に案内している」「荷物を入れる前に工事を行ったほうがよい」などと言うので、業者の言葉を信じて現金約6万円を支払い、翌日に工事が行われた。後日、気になって管理会社に聞くと、「そのような説明会は開いていない。事業者も紹介していない」と言われた。解約したい。クーリング・オフできるか。(2021年3月・20歳代女性)

8日以内なら無条件で契約解除できる

詐欺師は引っ越しのドサクサをねらってチャイムを鳴らす(写真はイメージ)
詐欺師は引っ越しのドサクサをねらってチャイムを鳴らす(写真はイメージ)

   こうしたトラブル防止のポイントについて、国民生活センターでは次のようにアドバイスする。

その場ですぐに契約せず、管理会社に確認。
   引っ越した直後は荷解きや手続きなどで忙しく、また、新しい生活に不慣れな時期なので、冷静な判断ができなくなる。突然訪問を受け、「管理会社から紹介された」「周りはみんな契約している」と勧誘されると、信じてしまいがち。しかし、少しでも疑問に思ったら、まずは管理会社に確認することだ。

訪問販売で契約した場合、クーリング・オフができる。
   業者から訪問を受けて契約した場合、特定商取引法に定める書面を受け取った日から数えて8日以内であればクーリング・オフ(無条件での契約解除)をすることができる。また、クーリング・オフ期間内に工事が行われたとしても、クーリング・オフをした場合は、無償で元どおりに戻すよう求めることもできる。

   とくに、18歳で新生活を始める若者にはこう呼びかけている。

「今年(2022年)4月から『18歳で大人』になります。これまで未成年者の契約は、親権者の同意を得ずになされると取り消すことができました。しかし、大人になると1人で契約できる半面、原則として一方的にやめることはできません。不安に思った時、トラブルにあった時は消費生活センター(電話『188』=イヤヤ!)に相談しましょう」

(福田和郎)