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VTuberグループ「にじさんじ」運営ANYCOLOR社員の平均給与はいくら? 気になる業績推移や平均勤続年数もチェック!

   上場企業の財務諸表から社員の給与情報などをさぐる「のぞき見! となりの会社」。今回取り上げるのは、先日上場したばかりのANYCOLOR(エニーカラー)です。

   ANYCOLORは、2017年5月に「いちから株式会社」として資本金100万円で設立。2018年2月にVTuberグループ「にじさんじ」の活動を開始し、日本および中国、インド、インドネシア、韓国に展開。2021年5月に現社名に変更し、6月8日に東証グロース市場に上場しています。

  • 今回はANYCOLOR(エニーカラー)に注目(写真はイメージ)
    今回はANYCOLOR(エニーカラー)に注目(写真はイメージ)
  • 今回はANYCOLOR(エニーカラー)に注目(写真はイメージ)

創業5年で業績伸長...22年4月期の売上高は132億円

   それではまず、ANYCOLORの近年の業績の推移を見てみましょう。

   ANYCOLORの業績は、創業数期で急速に伸びています。

   第1期の「にじさんじ」所属VTuberの活動を始めたのが2018年2月。2018年4月期の売上高はわずか1662万円で、190万円の当期純損失でした。それが翌期から、8.7億円、34.8億円と急速に売上高を伸ばし、2021年4月期には76.4億円に達しています。

   現在ではVTuber業界のパイオニアとしてのポジションを確立。2022年1月現在では、競合を大きく引き離す116チャンネルに増加し、YouTube総再生回数は59億回にのぼりました。

   2021年4月期の営業利益は14.5億円で、営業利益率は19.0%と大きく改善を果たし、当期純利益は9.4億円にまで急増しています。

   上場日に発表された2022年4月期の業績予想は、売上高が前期比73.6%増の132億59百万円、営業利益が同160.7%増の37億85百万円、営業利益率は28.5%、当期純利益は同166.4%増の24億97百万円となる見込みです。

ライブストリーミングとコンテンツ販売で4分の3の売り上げ

   ANYCOLORは「動画コンテンツ関連事業」の単一セグメントですが、以下の5つの事業領域でビジネスを展開し、収益を得ています。

・ライブストリーミング領域:VTuberグループ「にじさんじ」の運営を中心に、ファンコミュニティの創出を図っています。収益は主に「Super Chat」と「YouTubeメンバーシップ」「Google AdSense収益」の3つで構成されています。

・コマース(コンテンツ販売)領域:ファンコミュニティに向けて、オリジナルグッズやVTuberの音声を録音したデジタル商品を、オンラインストアやイベント会場等で販売しています。

・コマース(イベント)領域:音楽をはじめとしたイベントを主催して収益を得ています。

・プロモーション領域:主にタイアップ広告、IPライセンス、メディア出演という3種類の企業案件による収益です。

・その他領域:海外VTuberビジネス等を含んでいます。

   2021年4月期の売上高構成比が最も大きいのは、コマース(コンテンツ販売)領域の44%で、ライブストリーミング領域の31%と合わせると、全体の75%と大半を占めます。

   2021年4月期の販売相手先は、Google LLCが24億1344万円で全体の31.6%を占め、次いでソニー・ミュージックソリューションズが15億9482万円で20.9%、ピクシブが12億1422万円で15.9%を占めています。

従業員の平均年齢は30歳、平均給与は457万円

   ANYCOLORの従業員数は、2018年4月期末の時点ではわずか3人でしたが、翌期から48人、150人、156人と推移し、2022年3月末時点で216人にまで増えています。

   2022年4月期の売上高予想が132.6億円ですので、従業員1人あたりの売上高はおよそ6139万円となります。

   一方、従業員の平均年間給与(単体)は、2022年3月末時点で457.5万円。従業員の平均年齢は30.2歳、平均勤続年数は1.6年です。

   ANYCOLORの採用サイトでは、「プランナー」「クリエイター」「ディレクター」「営業」「マネジメント」「エンジニア」「サポート事務」「コーポレート」といった非常に幅広い職種で募集が行われています。

   なお、転職サイトに掲載されている「番組制作ディレクター」の中途採用求人によると、予定年収は360万円~580万円。賞与は年1回、業績連動型賞与が支給される、とあります。

   ANYCOLORは2022年6月8日に東証グロース市場に上場しましたが、初日は値がつかず、翌9日に公開価格の3.1倍の4810円の初値がつき、ストップ高水準の5510円まで上がりました。6月16日には9200円の高値を更新し、先行きが注目されています。

(こたつ経営研究所)