物価高と魚離れを救う。シェアNo.1企業が語る「魚肉ソーセージ」再ブレイクの理由

2026年6月。中東問題をはじめとする物価高の影響が長期化し、畜肉をはじめとする食品の価格高騰が依然として家計を圧迫している。同時に、初夏を迎え学生の部活動やスポーツが本格化し、栄養補給へのニーズが高まる時期でもある。そんな現代の課題に合致し、近年需要を伸ばしているロングセラー食品がある。「魚肉ソーセージ」だ。シェアNo.1を誇る株式会社ニッスイ家庭用食品部の増田智哉課長取材のもと、その市場動向と進化の理由に迫る。

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肉類高騰と「魚離れ」が追い風に

インテージSCIのデータによれば、魚肉ソーセージの市場規模は堅調に推移している。増田氏によれば、需要拡大の最大の要因は「健康志向」と「コスパ」である。主原料が魚のため手軽にたんぱく質などの栄養が摂取でき、畜肉製ハム・ソーセージの価格上昇が続く中で、そのコストパフォーマンスの高さが改めて評価されているのだ。

さらに、若年層を中心とした「魚離れ」対策としても有効だという。農林水産省の「食料需給表」によると、国民1人当たりの魚介類消費量は2001年度の40.2kgをピークに減少し、2011年度にはついに肉類に逆転された。調理不要で骨もなく、調理時のにおいにも悩まされない魚肉ソーセージは、魚食の入り口としても期待されている。

徹底した不安解消とエコへの取り組み

市場拡大を支えるのは、現代の消費者に寄り添う絶え間ない製品改良だ。ニッスイは2003年から卵を使用しない商品設計を実現。卵アレルギーでも安心して食べられる食品となっている。

また、かつて「開けにくい」とされたフィルムも、どこからでも開けやすい仕様に変更した。さらに、両端のアルミ製金具を廃止した「エコクリップ」の採用により分別を不要にし、年間100トン以上のアルミ資材削減という環境への配慮も実現している。

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特徴的な「ピンク色」についてもアップデートされている。発売当初は、原料のマグロや鯨肉の加熱による茶色い変色をカバーし、おいしく見せるために着色されていた。しかし現在では、植物由来のトマトリコピンやクチナシ色素を採用し、安全性と自然な色合いの両立を果たしている。

若年層へのアプローチと「機能性」の追求

1952年、戦後の深刻な食糧難とたんぱく質不足を解消すべく、常温で保存・流通可能な強みを活かして誕生した同商品。現在は健康ニーズに応える「機能性」を高め、さらなる進化を遂げている。

2009年には、おさかなと植物性素材を主原料とする特定保健用食品(カルシウム)として許可された定番商品も登場した。この食品はカルシウムを豊富に含み、許可表示では「日頃の運動と適切な量のカルシウムを含む健康的な食事は、若い女性が健全な骨の健康を維持し、歳をとってからの骨粗鬆症になるリスクを低減する可能性があります」とされている。こうした定番商品をはじめ、スケソウダラ由来の「速筋タンパク」を1食で4.5g摂取できる商品、中性脂肪値を下げる作用が報告されているEPA・DHAを1,050mg含む機能性表示食品、塩分を50%カットした減塩タイプなど、付加価値商品の展開が進んでいる。

育ち盛りの子どもや運動をする中高生に向け、テレビCMや部活動向けサンプリング、親子で楽しめる謎解きキャンペーンなど若年層への認知拡大も進めている。増田氏は「今後も魅力を広く伝えることで、まだまだ市場の拡大は見込める」と語る。時代ごとの社会課題に応え続けてきた魚肉ソーセージは、これからも日本の食卓を力強く支え続けるだろう。なお、こうした機能性食品を取り入れる場合も、食生活は主食・主菜・副菜を基本に、バランスを心がけたい。

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