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ネットで「パブリックビューイング」 新動画サービス「おしゃべりテレビ」

   オリンピックやワールドカップなどの大きなスポーツイベントのとき、ファンが1か所に集まって、テレビ中継を見ながら応援する光景が見られる。いわゆる「パブリックビューイング」だ。このパブリックビューイングを、ネットで気軽に楽しめるようにする新サービス「おしゃべりテレビ」が2008年夏、スタートする。

テレビ見ながら気軽にチャット

パソコンでテレビ中継(上)を見ながら、アバターつきのチャットを楽しむ
パソコンでテレビ中継(上)を見ながら、アバターつきのチャットを楽しむ

   おしゃべりテレビを手がけるのは、インターネットコンテンツ制作のジー・モード。これまでは主にケータイ向けのコンテンツを提供してきたが、「今までにない新しいコミュニケーションサービスを」ということで、おしゃべりテレビを企画した。

   おしゃべりテレビは、チューナーつきのパソコンでテレビを見ながら会話する「テレビ連動型のチャットサービス」だ。専用ソフトを起動すると、パソコンにはテレビ画面と同時にコミュニケーション画面が表示される。参加者はスポーツ中継などの番組を見ながら、他の人のコメントを読んだり、自分の感想をコメントしたりして「同じ時間」を共有する。

「普通のチャットだとネタに困ったり、途中から入りづらかったりしますが、テレビを見ながらだったら共通の話題があるし、気軽に入ったり抜けたりできるはず。そんな発想から、気楽に楽しめるコミュニティサービスとして『おしゃべりテレビ』を考えました」

と企画を担当したジー・モードの椿原治郎さんは話す。

   「ルーム」と呼ばれるチャット空間はテレビのチャンネルごとに分かれていて、同じテレビ番組を見ている人たちが一緒に盛り上がれるようになっている。どんな番組でもコメントすることができるが、特にメインになるだろうと想定しているのが、スポーツの生中継やニュース番組だ。

おそろいの服を着た「アバター」で日本代表応援

チャット画面の吹き出しには「アスキーアート」を表示させることもできる
チャット画面の吹き出しには「アスキーアート」を表示させることもできる

   おしゃべりテレビの特徴は、アバター(ユーザーの分身キャラクター)つきのチャットサービスであること。画面には、スタジアムのスタンドのようにアバターがたくさん表示され、「みんなで同じ試合を見ているんだ」という一体感を演出してくれる。

   キーボードから打ち込んだ自分の感想や応援メッセージは、アバターの上に「吹き出し」となって表示される。たくさん発言しているアバターほど画面の中心に寄っていき、発言しないと隅にいくようにした。「バーチャル・パブリックビューイング」を盛り上げるための工夫だ。

「アバターの服装や髪型は自分の好きなタイプに変えることができますし、ウェーブや旗振りなどの動作をさせることもできます。サッカー日本代表の試合のときはブルーの服装で一緒に盛り上がれるようにしたいと思っています」

   映像を見ながらコメントしあうサービスというと「ニコニコ動画」が頭に浮かぶ。そのため、おしゃべりテレビは"ニコニコ動画の生中継版"という雰囲気も感じられる。しかし、椿原さんは「ニコニコ動画と競合しようとは考えていない」と説明する。

「ニコニコ動画などの既存の動画サービスは、自分の観たい動画を探さないといけない『プル型』のサービスですが、おしゃべりテレビは流れてくる映像を受動的に見ていくという『プッシュ型』のサービス。ライトなユーザーでも楽しめるような、軽くてゆるい、カジュアルコミュニティを目指しています」

北京オリンピックに合わせて「β版テスト」を実施

「おしゃべりテレビ」について語るジー・モードの椿原治郎さん
「おしゃべりテレビ」について語るジー・モードの椿原治郎さん

   おしゃべりテレビの一般公開は8月1日から。まず8月1日から9月30日まで、先行ユーザーを対象にβ版(テスト版)の実証実験を実施する。公式サイトで会員登録をして専用ソフトをインストールすれば誰でも参加することができるが、サービスに対応したワンセグチューナーが必要だ。

   当初の対応チューナーとしてはアイ・オー・データ機器製のUSB接続チューナー「GV-SC300」が指定されているが、実証実験への参加者を集めるため、抽選で500人にチューナーをプレゼントする「βテスト応募キャンペーン」を展開する。

   キャンペーンの応募期間は7月22日まで。「おしゃべりテレビ」公式サイトの専用フォームから申し込むことができる。またキャンペーン期間後でも、対応チューナーさえあれば、随時、β版テストに参加できる。

   ジー・モードの椿原さんは

「8月には北京オリンピックがあるので、ぜひたくさんの人にテストに参加してもらって、一緒にパブリックビューイングを体験してもらいたい」

と話している。